23連勝中ホクショウマサル、病気乗り越え今年度も出走へ
昨年夏の療養明け以降、ばんえい競馬の最多連勝記録を更新中(現在23)のホクショウマサル(牡8歳、坂本東一調教師、阿部武臣騎手)に、今年も注目が集まっている。今年度の開幕を27日に控え、阿部騎手(46)は「全国放送のテレビでも取り上げられるほど注目が高くなってうれしいが、健康で走り続けることが一番大事」と温かなまなざしを向けている。
ホクショウマサルは2013年にデビュー。14年にはイレネー記念、ばんえいダービーで重賞2勝を挙げるなど実力を示したが、15年に呼吸が苦しくなる喉鳴りを患い、下から1、2着のレースが続いた。
「この病気は競走馬にとって致命傷。種馬にする話も一時あったが、まだ若かったので走らせたいとの思いがみんなにあった」と阿部騎手。16年3月のレース後に手術を受け、馬主の井内紀子さんの牧場(空知管内由仁町)で約2年半、療養生活を送った。
復活戦は18年7月28日。レースは休止前の格付けより下がるが、2年4カ月のブランクに関係者は心配していた。同日のレースでは「荷物をやっと引っ張れるくらいの手応えしかなかった」が、レースを重ね、格付けが上がるとともに「レースのセンスを取り戻してきた。この馬は障害を下りてからの差し足が強み。五分に障害を下りたら勝てる馬」と阿部騎手は話す。
現在は今年度の開幕に向けて調整中。阿部騎手は「調教より体調管理の方が大変。たてがみと、しっぽをきれいにすると格好いいんだ」とし、「いつか連勝が止まる時は来るが、この記録はこの先もそう破られないだろう。今年も元気に走る姿をぜひ、見に来てほしい」とレースでの騎乗を楽しみにしている。(藤島諒司)