腎臓病患者に好評、低たんぱくパンミックス粉を全国販売 まつもと薬局
まつもと薬局(松本健春社長、帯広)は5月下旬から、管理栄養士が企画・開発した「低たんぱくパンミックス粉」を全国で販売する。腎臓病患者のために商品化し、3月に販売を開始したところ、全道から問い合わせが殺到した。顧客の声に手応えをつかんだ同社は、ホームページで注文を受け付けて全国に提供することを決めた。
管理栄養士が開発
慢性腎臓病や人工透析を受けている患者は腎臓に負荷をかけないため、たんぱく質を1日1グラム単位で管理しながら、十分なカロリーを摂取することが求められる。同製品は、腎臓病患者の栄養相談などを行う栄養課の管理栄養士、大西玲衣さんが開発した。
道産の素材を使った同製品を水などでとき、ホットケーキと同じようにたねを作る。これを家庭用の炊飯器で調理すると、簡単に「おいしい低たんぱくパン」が出来上がるというアイデア商品。通常の食パンに比べ、たんぱく質を10分の1に抑えているという。
2017年に地域住民向けに開いた低たんぱく料理講習会でサンドイッチの作り方を指導した大西さん。市販のミックス粉でおいしい低たんぱくパンが焼ける製品が見つからず、自分で作ってしまおうと考えた。
出来上がったパンは料理講習会の参加者から大好評。大西さんは松本社長から「商品化して」と言われ、2年間をかけて材料の調達、製造、販路などを整えた。昨年秋に実施したモニター調査では管内の住民など約200人から好評を得られ、3月の発売にこぎ着けた。
現在はミックス粉(810円)と、先行発売した調理済み冷凍パン(540円)を帯広市内のまつもと薬局5店舗(冷凍パンのみ南町店を除く)で販売しているが、「生産が追いつかず、冷凍パンは購入を来店時に1人1袋に限定している。ミックス粉もたくさんのリピーターがいて、製造委託先と相談して増産を考えなければという話が持ち上がっている」(大西さん)という。
今後は、4月中に札幌の手稲店で冷凍パンの店頭販売を開始。5月下旬から、ミックス粉のインターネット販売を開始する。
問い合わせは、まつもと薬局フロンティア店(0155・41・9333)へ。
(奥野秀康)
◆詳しく知る
・北海道産の素材にこだわった手作りの低たんぱくのミックス粉-まつもと薬局
・腎臓病の治療では、食事療法がとても重要視されている-全国腎臓病協議会
・腎臓の重要な働きのひとつに、血液中の老廃物や塩分をろ過し、尿として体の外に排出する-日本腎臓学会