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北斗の西尾副院長が脳卒中テーマに「出張医療授業」 来年度から

「家族を脳卒中から守るため、若い人も脳卒中のことを知って」と呼び掛ける西尾副院長

 脳卒中を知って、おじいちゃんおばあちゃんを病気から守ろう-。北斗病院の西尾明正副院長が、来年度から管内の小中学校の児童・生徒を対象に、脳卒中をメインテーマにした「出張医療授業」を始める。西尾副院長は「脳卒中の治療は時間との勝負。周囲にいる家族がどれだけ早く気付くかで予後が左右されるので、ぜひ若い人にも知ってほしい」と参加を呼び掛けている。

 脳卒中はt-PA静注療法(血栓溶解療法)など治療法が進歩するが、高齢者が寝たきりになる原因の4割を占める。重い後遺症が残らないようにするため、できる限り早い治療開始が重要になる。

10月に占冠で試験的に実施した授業の風景

 授業は1月以降、各校から要望を募り、4月から学校を訪れて授業を行う。西尾副院長は「十勝のお年寄りは特に『ひと晩寝れば治る』と様子を見てしまうことが多い。誤った判断で後遺症に苦しむ人を減らすため、家族が高齢者の異変に気付いてあげられる環境をつくりたい」と話す。

 十勝で本格的に実施するための試験的な取り組みとして、10月24日に上川管内占冠村の占冠中央小学校と占冠中学校の児童・生徒26人を対象に授業を実施した。内容は脳卒中の発症するメカニズムや症状、予防法の説明と共に、子どもらが医療を身近に感じられる職業体験を組み合わせたもの。聴診器など本物の医療機具を体験できる授業に、子どもたちも興味を持って話を聞いたという。

 脳卒中の知識を子どもに伝え、家庭のなかで注意を促す取り組みは、国立循環器病研究センターも漫画小冊子などの作成を通じて積極的に進めている。

 西尾副院長は「十勝でも子どもたちが祖父母に病院に行くよう勧めたり、医師の仕事に興味が持てるような授業を広めていければ」と話している。(奥野秀康)

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