帯広大谷高放送局が火災予防呼び掛ける 消防広報の音声収録
帯広大谷高校放送局(高橋映光=はゆる=局長、局員9人)は社会貢献活動の一環として、とかち広域消防局が行う春・秋の火災予防運動、年末焼死事故防止運動の各期間中に消防車両から流す広報に協力する。9月半ばには皮切りとして、15日に始まる秋の火災予防運動(31日まで)の広報文の音声収録に本庄ヒカリさん(3年)が臨んだ。「胆振東部地震を受け、災害をより身近に感じた。正確な情報を聞く人に伝えたい」(本庄さん)と意気込んでいる。(石川友史)
「市民に正確に伝わるように」
火災予防運動は火災が発生しやすい時期に、全道一斉に予防の啓発活動などに取り組む。秋は10月15日にスタートし、春は4月20日から同30日まで。
また、年末焼死事故防止運動は住民の防火意識を高めることなどを目的に、12月15~31日の17日間にわたり行われる。
同局はこれまで、道立帯広美術館の音声案内やスーパーの売り出し音声などを経験。今回の広報の協力でも、消防行政への貢献とともに朗読技術の向上を目指している。
収録には同局から本庄さんと高橋局長(2年)、渡邉実乃里さん(同)が携わり、本庄さんは秋を、高橋さんと渡邉さんは春と年末をそれぞれ担当する。局員の中でも全国・全道大会の出場経験があり、朗読技術に定評がある3人に顧問の小玉紘史教諭が声を掛けた。
春は空気の乾燥や強風による火災、秋と年末はストーブなどの暖房器具の使用やたばこの不始末に注意を呼び掛け、住宅用火災警報器の設置や定期的な作動確認も促す。
秋の広報文収録は9月13日に同校で行われ、部室に局員と小玉教諭、帯広消防署の署員が集まった。本庄さんがマイクに向かい、同署が用意した広報文を読み上げ、声を吹き込んだ。録音した音声は小玉教諭と署員が逐次確認。声の高さやテンポを微調整し、複数回にわたり撮り直した。
7月末に部活を引退し、受験勉強などで若干のブランクがあったという本庄さんは、朝、昼、放課後に時間を見つけては発声練習に励んだ。「もともとの担当は朗読。今回はアナウンスに近い原稿だったので的確に伝えることを意識した」と収録を振り返り、「少しでも、消防と市民の皆さんの役に立てたらうれしい」と笑顔を見せた。
春と年末の収録も9月中に終えた。帯広消防署の編田浩也署長は「声で伝えることを専門的にされている生徒の協力で、市民により一層伝わるものになる」と期待を込めた。各運動期間中は市内全域を消防車両が回り、収録した音声が流される予定。