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上越教育大の天野教授、浦幌の地層から新種の貝化石5種発見

国際学会誌に発表された新種の貝化石5種。上段左からウラホロハナシガイ、ウラホロシラオガイ、カツヒラスナメガイ。下段左からウラホロツメタ、ウラホロマメウラシマ(天野教授提供)

 【浦幌】上越教育大(新潟県)の天野和孝教授は、浦幌町活平地区にある約6000万年前の地層から新種の貝化石5種(二枚貝と巻き貝)を見つけ、国際学会誌「Journal of Paleontology」に発表した。5種のうち「カツヒラスナメガイ」「ウラホロツメタ」と命名した2種は、スナメガイ、ツメタガイの仲間では共に世界最古という。

 天野教授が発表した新種の貝化石は、二枚貝が「ウラホロハナシガイ」(学名タイアシラ・オリバーイ)、「ウラホロシラオガイ」(同アスタルテ・パレオセニカ)、「カツヒラスナメガイ」(同ポロマイア・カツヒラエンシス)の3種。巻き貝は「ウラホロツメタ」(同ネヴェリタ・マジマイ)と「ウラホロマメウラシマ」(同ビプリカ・パレオセニカ)の2種。

 二枚貝のうち、-ハナシガイは硫化水素を利用するバクテリアを共生している仲間。-シラオガイは中生代の絶滅を生き延びた仲間で、ベーリング陸橋説を覆す一つの証拠という。-スナメガイはこの仲間の世界最古の記録とし、類似した種が現在、東シナ海に生息する。

 一方、巻き貝では、-ツメタがこの仲間の世界最古の記録。-マメウラシマは中生代の絶滅を生き延びた仲間で、世界的にもこの種のみ生き残った。

 天野教授はこれまでに浦幌町で、今回発表した新種を含め14種の貝化石を採集している。今年度で定年退官となることを踏まえ、浦幌町立博物館は6日(午後6時・同館)に天野教授らを講師に迎え、「浦幌町から発見された新種化石~浦幌町から世界へ」と銘打った講演会を企画。天野教授は、今回の5種の産出意義などを含め、浦幌の貝化石研究のさらなる可能性などについて話す。

 当日は帯広市の化石研究家井上清和さんも「化石を探して30年」と題して講演する。

 参加希望者は同館(015・576・2009)へ。(内形勝也)

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