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両陛下の前で踊り披露 帯広カムイトウウポポ保存会

式典で披露する「エムシリムセ」を練習する酒井学さん(中央)ら保存会メンバー

 8月5日の「北海道150年記念式典」(会場・札幌市の道立総合体育センター)で行われる「アイヌ文化・地域の伝承芸能の紹介」で、帯広カムイトウウポポ保存会(酒井奈々子会長、会員41人)がアイヌ舞踊を披露する。天皇、皇后両陛下が出席する式典に向け、「両陛下の前でも練習の成果を出し、アイヌの伝統的舞踊を見ていただければ」(酒井会長)と踊りの最終調整に励んでいる。

 当日は「先人に学び、未来につなぐ」をテーマにアイヌ民族の伝統芸能、地域の伝承芸能を紹介するほか、青少年の誓いや北海道への応援メッセージなどを通して節目の年を祝う。

 帯広カムイトウウポポ保存会が披露するのは、長老が若者に勇気を与えるために踊ったとされる剣の舞「エムシリムセ」。保存会メンバーの酒井学さん(40)、荒田祐樹さん(32)の2人が舞、酒井会長(66)と安東春江さん(59)がMCと歌(ウポポ)を担当する。約3分半の演目で、歌に合わせて剣を交える迫力の舞が特徴だ。

 本番に向け、市生活館で行う月2回の練習では、歌のテンポに合わせながらの立ち回り方などを確認。舞の力強さが伝わるよう細かい所作まで気を配り、何度も練習を重ねている。酒井学さんは「舞の格好良いところを見てもらえれば」と力を込める。

 同保存会は全国でも精力的に活動し、昨年2月に三重県松阪市の「武四郎まつり」、今年1月には東京ドームでもアイヌ舞踊を披露している。

 酒井会長は「(自分たちは)アイヌ舞踊や歌を物心ついたときから聴いて育った。歌と踊りは体に染み付いている」と両陛下を前にしての演技を楽しみにし、「先祖やエカシ(祖父)たちが築いてくれた保存会で、若い人たちが自分たちの気持ちを受け継いでくれると信じている」と話している。(折原徹也)

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