佐々木雅規、全日本スノーモービル年間3連覇に王手
【清水】スノーモービルの全日本選手権(全5戦、日本モーターサイクルスポーツ協会主催)最上位カテゴリーのSX-Proクラス(昨年までのA級スーパークラス)で、佐々木雅規(32)=バイク・スノーモービルショップのENERGY-X経営、清水町御影=が今季これまで4戦中3戦で総合優勝を飾り、3年連続4回目の年間王者に王手をかけた。導入した新型マシンの調整に成功、抜群の加速でライバルに差をつけている。最終戦(今月4日・青森県)での2ヒート制のレースのうち「1本目で王者を決める」と闘志を燃やしている。(横田光俊)
2008年から参戦を続ける佐々木は14年に初の年間優勝、16、17年と連覇を遂げている。昨季は最終戦で逆転、年間ポイントで2位にわずか3ポイント差での勝利だったが、今季はスタートから好調だ。初戦(2月4日・長野県)のヒート1で2位、同2でトップに立ち総合優勝。コースが荒れていた第2戦(同11日・後志管内真狩村)では2本とも確実に2位で走り切る作戦で総合2位とポイントを重ね、第3戦(同18日・士別市)と第4戦(同25日・上川管内美瑛町)は得意のギャップの大きいコースで快走し、いずれも2本ともトップで総合2連勝を決めた。年間ポイントを151ポイントとし、2位に23ポイントの大差を築いている。
今季好調の最大の原因はマシン(カナダ製のSki-Doo MXZ600RS)新型の調整に成功したことだ。昨年11月末に入手して乗り始め、自らエンジンなどの調整に力を注いだ。燃料噴射装置がキャブレターからインジェクション(電子制御式)に変わった新型マシンはレスポンスが一気に良くなり、さらに駆動系の調整は海外から情報を集める努力を重ねて「走りすぎるぐらいになった」と言う。
今季のレースではスタートで成功すれば、序盤にベストラップを取り、そのまま逃げ切る走りを続けている。まだサスペンションの調整で未完成な部分があるため体力も奪われていく後半のラップは落ちているが、モトクロスの全日本選手権でも活躍した経験のある佐々木はライディングテクニックを生かし、ライバルを圧倒している。
「昨年までのマシンも調整には成功してきたが、今季の新型はさらに乗りやすい。ギャップの大きい好きなコースをどんどん跳べる」と佐々木は胸を張る。最終戦の青森県外ケ浜町特設会場は昨年も少雪の悪条件の中で粘り強く走り抜き、年間勝利につなげた。今年もこれからの天候次第では荒れるコースになる可能性もあるが「この走るマシンで勝負ができる」と自信を持って決戦に臨む。