過去最多の65万人 欠航少なく 帯広-東京線
帯広市空港事務所がまとめた、とかち帯広空港の2017年の東京(羽田)線の利用者数は、前年比8・0%(4万8862人)増の65万7366人で過去最多となった。月別でも、その月の歴代1位を9回更新。悪天候による欠航は前年に比べて半減し、日本航空(JAL)が繁忙期に機材を全便大型化したことなどが要因とみられる。
東京線は1965年に道東初の首都直行便として就航。2011年にJALとエア・ドゥのダブルトラッキング(2社乗り入れ)が始まり、以降、便数増や航空運賃の低下といった利便性の向上を背景に、歴年の利用者数は12年から6年連続で増加している。
17年の利用実績を月別でみると、2、11、12月を除くすべての月で歴代最多に。16年は天候不順や台風の影響で欠航が66便と相次いだ半面、17年は30便にとどまった。就航率は99・4%で、帯広空港特有の就航率の高さも際立った。
航空会社別の乗降客は、JALが前年比6・7%(2万7104人)増の42万9736人で、搭乗率は3・6ポイント増の72・1%。繁忙期となる夏場に通常より96席多い中型機を導入、7月15日~8月31日の約1カ月半にわたっては全便大型化を図った。7~9月の提供座席数は前年同月比12・3%増の17万6512席で、観光シーズンの旅行需要を取り込んだとみられる。
同社帯広支店の岩田昌之副支店長は「機内のWi-Fiサービスの完全無料化など需要喚起にも努めたことで、個人客についてはすべての月で前年を上回った」とする。
エア・ドゥは10・6%(2万1758人)増の22万7630人で、搭乗率は4・8ポイント増の68・5%だった。年間を通して事前予約購入割引の制度が好調で、同社の広報担当は「道内全体の旅行需要が高まっていて、特に夏場は景気が良いことも数字を左右した」と分析している。
市の総合計画で19年度の定期便利用者数を63万1000人に設定しているが、17年度はこの数字を上回る見込み。市空港事務所の加藤帝所長は「この数字を弾みに、新規の路線開設につなげていきたい」としている。(小縣大輝)