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元ロック歌手小野貴則さんシャンソン作詞歌手で復活

デビュー公演を前に自宅でブルースハープ(ハーモニカ)を吹き練習する小野貴則さん

 1990年代に十勝で最も活動的だった元ロック歌手、小野貴則さん(50)=帯広市、古書店経営=が、シャンソンの作詞家と歌手として、25日に札幌で本格的なステージに復帰する。昨年、詩を重視したシャンソンの日本語での表現に取り組むミュージシャン・作詞家のサエキけんぞう氏(千葉県)の手法に出合い、同氏主催の伝統のフレンチ音楽イベント「ゲンスブールナイト札幌」に出演する。小野さんは傾倒するジャック・ブレル(1929~78年)の名曲に亡き友への鎮魂を歌い込み、14年ぶりとなる約30分間の復活ステージに立つ予定だ。

 小野さんは幕別町生まれ。帯柏葉高在学中の17歳で音楽活動を始め、幕別町職員、福祉施設職員、中古CD店経営などで働きながらバンド「チロット」「ころぽっくる」のリーダーとして十勝のバンド初の自主製作CDを完成させるなど、十勝のロック音楽をけん引してきた。2003年のライブを最後に音楽から離れていた。

 昨年11月、小野さんの妻が札幌でサエキ氏の演奏を聴き、同氏のCDを店で販売することになった。歌の技巧ではなく詩を重視したシャンソンと、それを日本語で表現するサエキ氏の活動に刺激を受け、フレンチ音楽を徹底的に研究。特に人間を深く描き出すブレルにひかれて訳詞に取り組み、歌い始めた。

 ブレルが故郷を思って作った名曲「平野の国」に小野さんの思いを重ねて今年8月に歌詞が完成。サエキ氏がフランスを代表する芸術家・歌手のセルジュ・ゲンスブールを紹介して90年代から国内各地で続ける「ゲンスブールナイト」の札幌公演に小野さんを誘い、本格デビューが決まった。ステージでは「ころぽっくる」メンバーで編曲・音響担当の赤坂英典さん(42)=帯広市=と2人で2曲を演じる。

 札幌でのデビューを前に小野さんは10月、帯広のライブハウスで「平野の国」を披露した。久々のマイクの前で、今年6月に亡くなった音楽仲間への思いも込めた詞を歌い上げると「ブラボー」の声。「まっすぐに、うそなく表現するのがシャンソン。一生続ける」と十勝でもステージを重ねる決意だ。

 ゲンスブールナイト札幌は25日午後4時半から、札幌市内のイベントスペースEDiT(南2西6)で開催。前売り券2800円(1ドリンク付き)。詳細はインターネットの公式サイトで。(横田光俊)

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