伊能忠敬の足跡アプリに 十勝の地名も
日本全国を測量し日本地図を完成させた江戸時代の測量家・伊能忠敬(1745年-1818年)の功績を伝える伊能忠敬研究会(渡辺一郎名誉代表)が、伊能の足跡をたどるスマートフォンアプリ「伊能でGO」を制作し、11月から運用を開始した。伊能測量隊の実際の宿泊地付近を訪れてデジタルスタンプを集める内容で、伊能が訪れた十勝管内の広尾、大樹、豊頃の各町にもスポットが設けられている。
2018年の没後200年に向けて、約半年かけて開発した。伊能測量隊の宿泊地全国約3100カ所をスポット化。グーグルマップと連動し、宿泊地の半径500メートル以内でスマホ画面上の「足跡を残す」をタップすると、到達を示す「のぼり」のマークが表示され、ポイントが加算される。
各スポットでは測量隊の到達年月日(和暦、西暦)や中食(昼食)など現地の活動記録が確認できる。ポイントは当時の宿泊日数に応じて1~10ポイントあり、参加者間のランキングも表示される。北海道には第1次測量で訪れており、豊頃町大津地区のスポットでは「宿泊家 仮家」「中食 アツナイの岬」と表示される。
研究会は来年4月に都内で「没後200年記念伊能測量協力者顕彰大会」を開き、宿提供などで測量隊を支援した全国の協力者の子孫約100人に感謝状を贈る。NHK大河ドラマ化の実現も目指している。
渡辺名誉代表は「アプリには、漂流中の船上などを除き、離島まで可能な限りスポット化した。全国をくまなく歩いた伊能の苦労を感じてほしい」と話している。
アプリは無料で、iPhone、Androidともダウンロードできる。
(原山知寿子)