衆院選・管内新聞局も試行錯誤
選挙権年齢が18歳以上に引き下げられてからは初めてとなる衆院選の投開票を22日に控え、管内各高校の新聞局もそれぞれ取材を重ねている。若者の政治離れが指摘される中、約半数が新有権者となる3年生の声を校内アンケートなどを通じて取り上げ、まだ選挙権のない1・2年生にいかに関心を持ってもらうか、試行錯誤しながら発信している。
帯広柏葉高新聞局(重堂百恵局長)は18日、3年生全員を対象にアンケートを実施。選挙権を「持っている」と答えた146人(57・3%)中、133人(91・1%)が「選挙に行く」と回答した。昨夏の参院選後に行ったアンケートでは生徒の投票率は約7割と高かったが、今回の事前アンケートではこれを上回る結果に。関心の高さが明らかになる一方、「投票する政党・立候補者は決めていない」が5割(50・7%)を占めた。
重視する政策は「憲法改正」(18%)が最も多く、「年金・医療」(14・3%)、「消費税増税」(13・5%)と続いた。アンケート結果は12月発行の「柏葉高新聞」に掲載し、選挙後も実際に投票したかを問う方針。重堂局長(2年)は「3年生は受験で忙しく、推薦入試だと10月が勝負になる。想定したより高い結果だが、投票先を決めかねている人も多く、これからどう決めていくのか気になる」と話す。
同様に校内アンケートを実施した清水高新聞局(上本桃加局長)でも、新有権者と回答した56人中、6割以上が「選挙に行く」とした。選挙に行く理由では「親に勧められたから」が最も多く、「衆院選の仕組みを理解しているか」の設問には68%が「いいえ」と答えた。三好健太副局長(3年)は「自分自身、今回の新聞作りを通じてより関心を持てた。17歳でまだ選挙権はないが、次の選挙では投票に行きたい」と力を込めた。
帯広北高新聞局(古川優香局長)も事前アンケートで支持政党の有無などを聞き、芽室高新聞局(上村りの局長)は投開票後に3年生全員を対象にアンケートを実施する。芽室高顧問の石森由香利教諭は「1・2年生にも関心を持ってもらい、『投票しても変わらない』ではなく、大切な権利を行使してほしい」と話している。十勝管内の昨夏の参院選の18、19歳の投票率は全道を8・19ポイント下回る35・19%で、全世代の57%より20ポイント余り低かった。(衆院選取材班)