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帯大谷快進撃4強入り 投打に勢い 春季道高校野球

【準々決勝・帯大谷-武修館】4強入りを果たし、応援席に向かって駆け出す帯大谷ナイン

 【札幌】札幌円山球場で2日、武修館(釧根支部・3年ぶり5度目)に8-1で八回コールド勝ちした帯大谷は、攻守に勢いづいている。先発の山本奏瑠(かなる、2年)が8回1失点の好投。無四球と制球が良かった。打線も14安打と活発だ。初戦の滝川西(空知支部)でも投手の佐々木慎広(3年)と渡辺厚卓(2年)の継投で自責点1、打線も12安打と投打のバランスが安定した戦いを展開している。初出場で4強入りした帯大谷は4日の準決勝第2試合(午後0時半開始予定)で、駒大苫小牧(室蘭支部、5年連続14度目)と戦う。準決勝のもう1試合の稚内大谷(名寄支部、2年連続27度目)-函大有斗(函館支部、3年ぶり33度目)は同日午前10時から実施する。(北雅貴、新井拓海)

投手陣 快進撃支える
 帯大谷の快進撃が止まらない。登板する投手は皆、結果を出し、打撃も支部予選から計6試合中、5試合で2桁安打。投手をもり立て、安心感を与えて好投を引き出すいい流れとなっている。

 この日は初回に攻守で大きなプレーがあった。守りでは難しいゴロを三塁の鹿野巧巳(3年)が裁いて併殺に。攻撃は宇野僚真主将(同)が2死二塁で外角高めの直球をうまく合わせて左翼に運び、幸先良く先制した。

 野手の援護に守られた山本奏瑠は、スライダーなどの変化球を交えながら丁寧に投げ続けた。生命線の外角低めへの直球も決まり、「キャッチャーの構えたところに投げられた」と満足そう。奪った三振はゼロだが、24個のアウトのうち、半分の12個が内野ゴロ。1試合に登板した支部予選でも、奪三振はなく、打たせて取るスタイルを貫いている。

 ここまでに登板した4投手の力は拮抗(きっこう)している。網野元監督は「直球は速くないので、丁寧さで競争している」と話す。山本は、前日の降雨ノーゲームの試合で5回無失点の宮浦開登と同じ2年生。山本は「(宮浦は)天気が悪い中で好投している。自分も絶対抑えてやろうと思った」と強い気持ちで立ち向かい、5月上旬の練習試合で4-7で敗れた武修館に雪辱を果たした。

 準決勝は、札幌第一に14得点してコールド勝ちした駒大苫小牧と戦う。網野監督は「投手が1つのポイント。序盤に(失点を重ねて)離されないようにしてほしい」と期待を寄せた。

長谷川、好リード
 2試合で自責点2の投手陣を支えるのが、捕手の長谷川優斗(3年)だ。「投手のコントロールがあってこそ抑えられる。きょうも低めに集まっていた」と謙虚に話した。

 前チームではセカンドのレギュラー。新チームではは三塁のほか、「観察力がある」(網野元監督)と捕手も務めるようになり、今春からは捕手一本に。

 この日も相手打者の打席でのしぐさや表情を見て、それまでの配球も考慮し、サインを決めた。「武修館の打者のスイングは強いので直球は打たれる可能性が高い。変化球でタイミングを外し、長打に気を付けた」と振り返る。

 支部予選の打率は2割1分4厘で、記録に残らない前日とこの日は2打数無安打。「今はリードで頭がいっぱい。打撃の方まで気が回らない」と苦笑いし、次戦も投手の持ち味を引き出すことを誓った。

一戦ごと成長
 帯大谷は一戦ごとにたくましさを増し、宇野僚真主将(3年)は「投手も野手も力が付いてきた」と、手応えを感じている。

 ミスをした後のカバーが光る。この日は4-0で迎えた五回、先頭の宇野主将が左翼線二塁打で出塁し、次打者の遊撃ゴロで三塁でアウトに。好機がしぼんだかに思えたが、続く渡辺厚卓(2年)は右前打でエンドランを成功させて、一、三塁とし、長谷川優斗のスクイズで中押しした。

 詰まった打球が野手の間にぽとりと落ちる幸運な安打や敵失なども続き、佐藤真司部長が「不思議」と笑う“持っている”チームでもある。


◆春季高校野球
第56回春季高校野球道大会-勝毎電子版特設ページ

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  • 【準々決勝・帯大谷-武修館】安定した制球力で打たせて取る投球を見せた山本奏瑠

    【準々決勝・帯大谷-武修館】安定した制球力で打たせて取る投球を見せた山本奏瑠

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