温泉チーズまろやか モールウォッシュ食べごろ
【音更】町十勝川温泉に2月に完成した国内初のチーズの共同熟成庫で、「十勝ラクレットチーズモールウォッシュ」が食べごろを迎えている。モール温泉水で磨いたチーズは、約3カ月間の熟成期間を経て見た目も味も仕上がった。管内外の観光施設や飲食店などに出荷されている。
共同熟成庫は、管内のチーズ工房でつくる十勝品質事業協同組合(佐藤聡代表)が建設。広さ30平方メートルの熟成庫が3室あり、年間の製造能力は2万玉(1玉4キロ)。
5工房が2月下旬から、1次加工後の凝乳を運び込んで熟成させている。現在は約800玉が入り、一部が出荷時期を迎えた。
ラクレットチーズはセミハードタイプのナチュラルチーズで、熱して軟らかくし、ジャガイモやパンに付けて食べる。十勝は製造が盛んで、各工房が連携して十勝産チーズの発信力を高めようと、日本初の共同熟成、販売に取り組みだした。
モールウォッシュは、熟成過程で表皮を十勝川温泉のモール(亜炭)温泉水で磨く製法。温泉水の成分がチーズの発酵を助け、雑味のないまろやかな味に仕上がるという。
管内ではガーデンスパ十勝川温泉(音更)やトテッポ工房(帯広)で150グラム単位で小売りしている他、管外の飲食店やホテルなどに出荷している。同組合の下里洋司事務局長は「共同熟成庫で一から熟成させたチーズが食べごろになった。地元をはじめ全国に十勝のラクレットを出していきたい」と話していた。(安田義教)