カメラのおばら閉店 66年の歴史に幕
マックスバリュ稲田店(帯広市西5南35)内で40年間営業してきた「カメラのおばら」(加藤則昭代表)が6月25日で閉店する。西2条の創業から含めると66年の歴史を持つ。商業環境の変化などが閉店の理由で、加藤代表(66)は「時代の流れなので仕方がない。お客さまには感謝の気持ちでいっぱい」と話している。
カメラのおばらは1951年、西2南11で故・小原三郎氏が開業。いまの店は77年10月、マックスバリュ稲田店の前身である「プラザいちまる」の開設に合わせ、支店としてオープンさせた。加藤代表は小原氏の親戚で、東京の写真関係の専門学校を卒業後、東京や札幌などで働き、29歳で帯広に戻り入社。中心部の区画整理事業に合わせ95年に本店を閉め、営業店舗機能を支店に集約した。2000年に加藤氏が代表を継いだ。
以前はカメラやビデオカメラの販売が中心だったが、現在は写真現像が主で、写真立てなど関連雑貨を販売している。加藤代表は「1980年代がピーク。イベント時にはカメラなどが飛ぶように売れた」と振り返る。ここ数年、スマートフォンの広がりでプリント自体の需要も減ったことから、さらに売り上げも減少し、来春の契約更新を前に閉店を決めた。加藤代表は「カメラ店という業態自体が大手家電店やネット通販の台頭でほとんど消えた」と話す。
現在売り尽くしセール中で、時計や写真立て、アルバムなどを30~70%引きで販売中。また、店内で2年前から使用していた業務用デジタルプリンターを購入時の約70%引きの43万7000円で限定1人に販売する。問い合わせはカメラのおばら(0155・47・0115)へ。(佐藤いづみ)
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マックスバリュ北海道(札幌)によると、稲田店から6月末で撤退するのはカメラのおばらとザ・本屋さん、サーティーワンアイスクリームの3店で、合計面積は339平方メートル。いずれも後に入る店舗は決まっていない。