学校通信で家庭の信頼築く 鹿追中の中村校長
【鹿追】今年度、鹿追中学校に赴任した中村宏喜校長(55)は、学校と家庭を結ぶ重要な役割として「学校だより」の発行に力を入れてきた。昨年度まで4年間勤務した鹿追瓜幕中では、写真を多用し生徒や教諭の様子を紹介し、「分かりやすい」と保護者の評価を得た。中村校長は「保護者の信頼を得られる学校づくりには情報発信が重要で、新聞は便利な存在」と話し、鹿追中でも引き続き学校だよりを担当する予定だ。6~12日は「春の新聞週間」-。
中村校長は30年以上にわたり、新聞を活用した教育を実践。2012年に瓜幕中校長に着任すると、パソコンで編集したA4判・6ページの学校だより「啐啄(そったく)の機」を毎月2回発行した。学校通信などを対象にした全国コンクールで受賞するなど、評価は高い。教育関係者によると、学校だよりは月1回、2ページ程度で発行する学校が多いという。
「啐啄」とは、ふ化するときに、ひな鳥が卵の中から、親鳥が外側からつつくことを指す。学校と家庭が連携して生徒を見守り、支援したいとの思いを込めた。
当初は学校行事が中心だったが、保護者らの要望に応え、教諭の話題に触れる機会を増やした。瓜幕中には関東や関西などからの山村留学生も多い。学校だよりがすぐに届かない家庭もあることから、学校ブログを立ち上げ、毎日情報を更新した。
さらに編集後記では、ネットトラブルなど中学生が巻き込まれる危険性がある問題に触れ、学校の対応や家庭の役割など自らの思いを伝えた。また、教諭が保護者に直接言いにくい問題も紹介した。
共働きの家庭が増え、授業参観日も含め学校を訪れる機会のない保護者もいるという。中村校長は「生徒や教諭の姿、学校の様子を理解してもらい、家庭でのコミュニケーション促進に役立てば」と期待している。(池谷智仁)