シシャモ回復の兆し 秋サケは30億円割る 管内漁獲まとめ
十勝総合振興局は1日、十勝管内のシシャモこぎ網漁と秋サケ定置網漁の最終漁獲状況を公表した。漁獲金額では、シシャモは前年比45・7%増の4億797万円と大きく伸び、2年続いた不漁から回復の兆しを見せた。秋サケは同18・2%減の29億4171万円で、3年ぶりに30億円台を割り込んだ。
大津、大樹、広尾の3漁協の合計。管内の今年のシシャモ漁は10月10日から11月22日まで、秋サケ漁は8月30日から11月20日までが操業期間だった。
シシャモの漁獲量は同45・6%増の329トンで、単価はほぼ昨年と同じ1キロ当たり1241円と高値が付いた。管内は一昨年(213トン、3億956万円)は漁獲量が過去10年で最低、昨年(226トン、2億7998万円)は金額が同最低と2年連続で不漁だった。
今年は過去10年平均(442トン、4億1600万円)には届かなかったが、回復基調となった。漁協別は大津が87トンで同4・2%増の1億584万円、大樹は48トンで同55・9%増の6045万円、広尾は194トンで同73・1%増の2億4168万円と伸びた。
他管内は釧路が同62%増の436トン、同40%増の5億5000万円と大きく伸びたが、日高、胆振は前年減の見込み。同局は「資源状態も好転し、魚体も大きかった。回復の兆しは見えている」としている。
秋サケは、10~12年の10億円台の不漁から、昨年、一昨年は30億円台で伸びていた。今年は事前の来遊予測は前年を上回る見込みだったが、9月下旬から10月にかけて低気圧や台風の被害が相次ぎ、伸び悩んだ。
漁獲匹数は同20・2%減の160万2707匹、漁獲量は同23・8%減の5915トンと下がったが、単価は1キロ当たり497円と過去10年で最高値となり、金額の落ち込みをややカバーした。過去10年平均(208万3000匹、7941トン、30億4500万円)はいずれも下回った。
漁協別は、大津が3119トンで同14・9%減の15億5607万円、大樹が1413トンで同18・1%減の7億193万円、広尾が1383トンで同25・1%減の6億8371万円。
同局は「1匹当たりの重量も前年を下回った。ただ魚は来ており、台風被害がなければ豊漁だった」と見ている。
(小林祐己)
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