全国大会2連覇ならずも準優勝 とかち岳峯会
詩吟の全国吟道大会(18日・熊本市=日本詩吟学院主催)で、「とかち岳峯会」(山下岳廣会長)の合吟チームが準優勝の理事長賞に輝いた。同会は昨年の同大会で優勝しており、2連覇はならなかったが、優勝(木村岳風賞)したオホーツク岳風会(北見市)とともに北海道の詩吟が全国トップレベルにあることを改めて証明した。
同大会は、約6万人の会員を持つ同学院が認可する全国181の団体から、予選を勝ち抜いた代表が集う国内最高峰の大会。合吟は全国9つのブロック大会で選ばれた2団体ずつ計18団体が出場した。とかち岳峯会は5月の北海道予選を勝ち抜いた。
今年、独吟で全国一の称号となる「十傑」に選ばれた川合壽岳さん(65)=帯広=を中心とした同会のチーム(10人一組、補欠1人)は、3位の一昨年、優勝の昨年とメンバーは変わらず、今年はさらにそのレベルを高めようと、年明けから練習を続けてきた。
大会では、明治時代の陸軍大将乃木希典の漢詩「凱旋」を吟じた。日露戦争で自身の子や多くの部下を死なせた自責の念をうたった詩で、チームは時代背景や思いなどの研究も重ね、本番では一息の乱れもない見事な吟を披露した。
川合さんは「優勝でもおかしくない内容だったと思う」と振り返った。山下会長も「結果は準優勝だったが、会員の努力が結集され、実力は発揮された。詩吟人口が減る中で、3年連続の好成績は明るい話題。声一つで楽しめる詩吟の魅力を若い世代にも広めていきたい」と話し、会のさらなる飛躍を誓っている。
(大谷健人)
川合さん以外のチームのメンバーは次の通り。(敬称略)
宮本政岳、渋谷雅岳、西桜岳、青柳行山、池本清泉、加藤志風、森山公山、佐々木我風、伊原匠山、和田法山