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ニットで南相馬応援する横山さん、NPO設立し支援継続

NPO法人を設立し、被災地支援などを続ける横山さんと起也さん(左から)

 東日本大震災と福島第一原発事故で被災した福島県南相馬市で、ニットを通じた自立復興支援活動を続ける中札内村の横山真弓さんらが今年度、NPO法人「LIFE KNIT(ライフニット)」(本部東京)を設立した。編み物という「ものづくり」の力を心のサポートに役立てるのが狙い。被災地支援の他、新たに帯広市内の児童養護施設で子供たちへの編み物教室を始めるなど、事業の幅を広げている。

 横山さんは旧日本編物文化協会で理事を務め、大震災翌年の2012年から南相馬市の仮設住宅住民による「南相馬ニットグループ絆」の立ち上げ・運営を支援。仮設約20カ所でニット教室を開き、定期的に現地も訪れ、避難生活を送る高齢者らの生きがいづくりに一役買ってきた。

 しかし、4月に同協会が公益財団法人日本手芸普及協会と統合し、協会としての支援事業が終了。このため新たな支援の枠組みを模索し、南相馬などの被災地復興自立支援を事業とするNPO設立を決めた。代表理事には横山さんの次男で日本ヴォーグ社手あみプロフェッショナル講師の横山起也さん(39)=東京=が就き、横山さんは監事。南相馬の現地の支援関係者を含む6人が理事となり、6月に認可された。

 南相馬には早速、ニット作品のサンプルを送り、電話などを通じて現地の女性リーダーたちの指導を続けている。来年は現地訪問も予定している。この他、これまで「ジュニアプロジェクト」として南相馬を含む各地で実施してきた子供対象のニット教室も、NPOの事業として取り組む考えだ。

 この一環で、6月からは社会福祉法人池田光寿会が運営する帯広市内の児童養護施設十勝学園(餌取史泰園長)を、横山さんが月3回訪問している。子供たちに指編みを教えたり、押し花のワークショップを開いたりして、ものづくりの魅力を伝えている。

 16日にはニット作家の広瀬光治さんを招いたトークショーと講座をとかちプラザで開催。十勝在住のNPO会員や賛助会員ら約80人が集まり、手作りの楽しさを共有した。

 横山さんは「ものづくりは人の心を温かくする。人間形成でとても大事なことで、作品に没頭する間は癒やされ、完成すると感動がある。人から評価され、自分も納得することで人間が豊かになる」と語り、共に南相馬を訪問してきた起也さんも「編み物が自分の特別な時間となり、心の居場所づくりになることを伝えたい」と話している。今後は企業と連携した一般向けニット教室など、幅広い事業展開を考えている。(小林祐己)

  


◆LIFE KNITについて
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