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下音更初出場で3位健闘 全道中体連サッカー準決勝

【準決勝・下音更-江別中央】後半0分ごろ、下音更のFW笠原翔太郎がゴールを狙う

 サッカーの第54回北海道中学校大会(道中体連など主催)最終日は31日、帯広の森球技場で準決勝と決勝を行い、初出場で4強入りした下音更は準決勝で全国大会出場を懸けて江別中央(石狩)と対戦した。前半は0-0で折り返したが、後半に1点先制され、0-1で惜しくも決勝進出を逃して3位だった。決勝は江別中央と枝幸(宗谷)が対戦、午後1時半から行った。(小寺泰介、村田壮一朗)

 2日目は30日午後、帯広競馬場南側運動広場、幕別町札内川サッカー場などで準々決勝4試合い、十勝勢は、共に1回戦を突破して8強入りを果たした下音更と帯一が臨んだ。下音更は札幌手稲東(札幌)に3-0で快勝、初出場で準決勝進出を決めた。前半5分にFW船木晴登(3年)が先制弾を放ち、同29分にFW笠原翔太郎(同)が加点。後半23分には、FW矢野龍哉(同)がダメ押した。帯一は枝幸(宗谷)に0-1で惜敗した。

◆下音更、走るサッカー体現
 下音更は今大会唯一の失点で惜敗。両チームは60分間、死力を尽くした勝負を演じた。谷内雅美監督は「勝ちたかったけど、本当に楽しい試合をしてくれた。また(チームを)次のステージに引き上げてくれた」と選手をたたえた。

 チームが今季掲げる『走るサッカー』を体現した。コートを広く使いながら速いパス回しを仕掛ける相手に対し、前からのプレスを徹底。容易にチャンスを作らせなかった。

 カウンターで失点した後半開始直後からは、よりボールの奪い所を明確にして相手を追い込み、早い攻守の切り替えで何度も好機を作った。球際に強いセンターバックの萩原悠二郎(3年)を中盤に上げ、最後まで得点を狙った。

 全十勝中体連決勝の帯翔陽戦で「走れなかった」(谷内監督)という反省を生かして走り込んだ。18日の道東カブスリーグ・釧路鳥取中戦は「足がパンパンになった」と敗れたものの、最高のコンディションで今大会を迎えることができた。開催支庁枠で1回戦からの出場となったが「どこよりもさぼらずハードワークを徹底できた」と谷内監督は胸を張る。

 10月には、カブスリーグの道リーグ昇格戦や高円宮賜杯の可能性もある。矢野龍哉主将(3年)は「気持ちを入れ替え、新しい舞台に向かって頑張りたい」と意欲を新たにした。

◆下音更の守護神仁藤「守備を突き詰めた結果」
 全4試合で1失点と強固な守りを披露した下音更のGK仁藤大暉(3年)は「練習の中でディフェンスを突き詰めてきた成果が出た」と振り返った。

 全十勝中体連の後、チームは多いときには1日8キロを超える走り込みを行い、スタミナを強化してきた。厳しい暑さの中での連戦にもかかわらず、守備陣はゴール前などで身体を投げ出して守るパワフルなプレーを最後までやり通した。

 萩原主将が中心となってロングボールや裏を突かれた攻撃も防いだ。全員で声を掛け合い、マークも徹底した。

 「絶対に点は取らせない」という強い覚悟を持って臨んだ今大会。準決勝で失った唯一の失点については、「相手のシュートも良かったが、もう少しで手が届きそうだった」と悔しさをにじませたが、「全員が全力を出し切った結果」と胸を張った。

◆帯一、史上初の8強入り「全道で通用する」
 開催地枠で出場した帯一が、全道の舞台で同校史上初のベスト8と健闘した。加藤駿弥主将(3年)は「自分たちのサッカーが全道でも通用することが分かった」と振り返った。

 強い日差しが降り注ぐ中で行われた準々決勝。5点を奪った2回戦の勢いそのままに臨んだが、相手チームの素早いマークに阻まれシュートまでたどり着けない歯がゆい展開が続いた。

 相手守備の速いマークを目の当たりにした選手たちは、ハーフタイムでパスを回すことを再確認した。それでも最後まで相手の守りを崩すことができず、一歩及ばなかった。

 開催地枠のため1回戦からの出場で今大会3試合目。その分選手には疲労も積み重なったが「周りの人の応援が力になった」(加藤主将)。

 萩原徳幸監督は「みんなでつないでここまでこれた」と選手をたたえた。加藤主将は「一人ひとりが仲間を信じ合えるチームになった」と成長を実感していた。

◆準々決勝の下音更、がっちり主導権握る
 試合開始直後に強敵・札幌手稲東の出ばなをくじく先制点で、下音更ががっちり主導権をつかんだ。FW船木晴登(3年)は「これまで2試合は得点が入らず苦しんだ分、先制点を狙っていた。チームに勢いを付けられた」と胸を張った。

 前半5分、中盤でパスを受けたFW船木が、相手DF1人を交わしてトップスピードに乗りながら中に切れ込むと、冷静にGKの動きを見ながら左足でゴール左隅に押し込んだ。

 最初の好機をつかんで硬さが取れた下音更は、終始押し気味に試合を展開。積極的にディフェンスラインの裏を突きながら、何度もチャンスを演出した。後半にはGKとの2対1で船木のパスを受けたFW矢野龍哉主将(同)が、3点目をゴールに押し込んで勝負あり。ダブルヘッダー2戦目の過酷な戦いを制した。

 試合を重ねるごとに、尻上がりに調子を上げた。

(31日)
◇準決勝

江別中央(石狩) 1(0-0 1-0)0 下音更
枝幸(宗谷) 0-0(PK4-3) 釧路鳥取(釧路)

(30日)
◇準々決勝

下音更 3(2-0 1-0)0 札幌手稲東(札幌)
枝幸 1(0-0 1-0)0 帯一
江別中央 5-0 中標津広陵(根室)
釧路鳥取 1-1(PK4-1) 札幌大谷(札幌)


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