十勝の美術家梅田さんらが米・シカゴで美術展開催
十勝管内の3人を含む道内の美術家5人が、6月5日から10日まで米国シカゴ市でグループ展を開く。現代アート、絵画、陶芸、書道、人形とそれぞれのジャンルで、日本人ならではの感性で作り上げた作品を並べる。出品者の1人で現代アート作家の梅田マサノリさん(帯広)は「日本の芸術文化を発信し、現地の人たちと交流することで(米国での)次の展開につなげられたら」と意気込みを話している。
グループ展に参加するのは梅田さんの他、画家の由良真一さん(池田)、人形作家の伽井丹彌(かい・あけみ)さん(帯広)、陶芸家の上ノ大作さん(北広島市)、書道家・カリグラファーの久保奈月(雅号・鳳凛)さん(同)。展覧会の名称は「Our Art Working 2015」。十勝の現代アート作家でつくる帯広コンテンポラリーアート実行委員会の事業として、道文化財団の助成を受けて行う。
シカゴでは昨年8月に約20日間、由良さんを除く4人が滞在し、作品展示や現地との交流に臨んだ。その際、JETRO(日本貿易振興機構)事務所を表敬したのがきっかけで、同市内で古い教会を改築して展覧会場・アトリエなどとした「アップタウン・アートセンター」を運営するコレット・アダムスさんと知り合った。アダムスさんに作品が高く評価されたことで、同アートセンターでの展示を打診され、グループ展開催につながった。
会場では梅田さんがアクリル画、伽井さんが球体関節人形、上ノさんが陶器のオブジェ、由良さんが風景を描いた油彩画、久保さんがアート要素を加えた書などを展示する。5人は6月1日に日本を出発し、展示会終了まで滞在する。
出発を前に28日、久保さんを除く4人が十勝毎日新聞社を訪れ、それぞれ抱負を語った。梅田さんは「十勝の芸術はこれまで札幌や東京に向け発信しようとする動きが多かった。海外の地域と直接交流できるような下地になれば」、伽井さんは「球体関節人形は日本ならではの文化。アメリカで関心を持って受け入れられれば」、由良さんは「自分の風景画は東洋の山水画に通ずる部分があるので楽しんでもらいたい」と意欲を見せた。
上ノさんも「昨年、種をまいた活動から芽が生まれてうれしい。自分の作品を見た人に、またアメリカに『呼びたい』と思ってもらいたい」と話した。(大谷健人)