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類家(白樺学園)3連覇 高体連陸上男子400

【男子400メートル】3連覇に向かって最終コーナーを疾走する類家大樹

 高体連の陸上は21日、帯広の森陸上競技場で男女13種目の決勝を行った。男子400メートルで類家大樹(白樺学園3年)が50秒06で勝ち、3連覇を達成した。類家は400メートルリレーでも2走として勝利に貢献し、この日2冠を達成した。同走り幅跳びは竹村征人(同)が6メートル75で制し、同校勢10年連続の優勝を決めた。女子は400メートルリレーで帯農が50秒12で勝利を収め、2走・丸次優花(3年)は100メートル障害、4走・鶴井萌佳(同)は400メートルとの2冠に輝いた。砲丸投げは12メートル51の自己新記録で制した澤崎明日香(帯農3年)以下、帯農勢が表彰台を独占。同1500メートルも帯農勢がトップ3を占めた。(岡部彰広)

故障明け「物足りない」
 男子400メートルは、この種目を得意とする類家大樹が、故障上がりながら2位以下に大差をつけて制し、3連覇を達成した。

 全国中学大会の同種目覇者は高校に入り故障に悩まされてきた。腰を痛めたのが1年生の6月。翌年4月に回復したが、出遅れが響き道高体連では2位と連覇を逃した。今年3月上旬には左太もも裏側に自身初となる肉離れを起こした。4月中旬まで走れなかった分、体幹を鍛えたり、バイク型トレーニング機器で補ったりしてきたが、今大会は調整不足。そのため今季2度目となった400メートルは「自信を持って臨めなかった」と積極性を欠いた。

 この日は風が強かったこともあり、序盤は抑え気味。バックストレートで一気に差を広げたが、持ち前の終盤の粘りがなく、スピードも維持できなかった。悪いなりに求めた記録は49秒台だったが、0・07秒届かず「物足りない」と顔をしかめた。

 ただ、一番の目標は7月下旬に行われるインターハイでの決勝レース。「出遅れてはいるが慌てずに調子を上げていきたい。道大会ではタイムが出なくてもいいからまずは優勝」とじっくり段階を踏んでいくつもりだ。佐々木務監督も「今は持久力が心配だが、(故障前から)練習してきた800メートルも面白いと思う」と、復調後、複数種目での全国決勝進出も視野に入れている。

自己新は出せず 白樺学園・竹村
 男子走り幅跳びは、白樺学園の竹村柾人が自己ベストに33センチほど及ばなかったが野村錬(白樺学園3年)と同校勢でワン・ツーを占めた。記録に不満を残したが、今春就任の小西康道部長ら先輩が続けてきた連覇記録を10に伸ばした。

 追い風の好コンディションだったが、踏み切りがうまくいかず目標の7メートル30には大きく届かなかった。また小西部長から、リードレッグ(踏み切りの逆足)を素早く前に出すことや着地での“ため”をアドバイスされてきたが、成果を出せなかった。

 道大会では優勝が目標だが「そこで終わることなく、インターハイで決勝に残れるようにしたい」と、現役選手でもある小西部長の存在を刺激にしながら、記録向上を目指す。

澤崎、勝っても悔し涙 女子砲丸投げ
 女子砲丸投げは、澤崎明日香が3月の室内大会でマークした自己ベスト記録を1センチ更新する12メートル51で優勝。しかし、満足いく投てきができなかったことで、競技終了から表彰式直前まで悔し涙を流し続けた。

 4月半ばに発症した腰痛による練習不足が影響した。春季サーキットでも少ない試技で様子を見ながらの出場。今大会3日前にようやく思い切り投げられるまで回復し、この日に備えた。

 歴代の先輩選手は、大会を重ねるごとに記録を伸ばし、インターハイで好成績を収めてきた。澤崎も今大会の目標をインターハイ決勝進出の目安となる13メートル台に置き、道大会で13メートル50まで伸ばして弾みをつけるプランを持っていた。ただ指先で球を押し出す感覚に欠け、5投目に自己新記録をマークするにとどまった。

 帯農の西山修一監督によると、今季の道内高校女子の砲丸投げは12メートル台を投げる選手が多く、史上最激戦の年になりそうだという。昨年のインターハイ優勝記録と同じ14メートル20を今季に投げている北口榛花(旭川東3年)を筆頭に、澤崎のライバルは多い。西山監督は「だいぶ良くなっている。これからでしょう」とまな弟子に期待。澤崎も「まずウエートトレーニングで故障前の重さを上げられるぐらいまで体を戻し、投げ込みをしていきたい」と巻き返しを図る。

9連覇へ好発進 帯農女子
 帯農は初日の女子6種目中、リレーを含む5種目で優勝。このうち2種目で表彰台を独占するなど、学校対抗(女子)9連覇に向け幸先よいスタートを切った。

 鶴井萌佳(3年)は400メートル準決勝で自己ベストを更新。決勝ではさらに2秒縮めた。リレーではアンカーを務めて勝利に貢献し「400メートルの疲れが残っていたが、全力が出せた」と満足げ。丸次優花(同)も、100メートル障害で追い風参考記録ながら自己ベストを0・5秒ほど更新。リレーとの2冠となり「(道大会の)出場権が取れて安心した」と話しつつ、残り2日間に向け気合十分といった表情を見せた。


(決勝のみ・8位まで)
【男子】
▽400メートル

(1)類家大樹(白樺学園)50秒06
(2)鳴海真也(帯農)52秒21
(3)佐々木大(白樺学園)52秒63
(4)小池猛(音更)52秒71
(5)藤井翼(江陵)53秒31
(6)畠山颯基(帯緑陽)53秒94
(7)小川滝満(帯三条)58秒62
▽1500メートル
(1)山崎海杜(白樺学園)4分14秒60
(2)出崎蒼太(帯柏葉)4分15秒61
(3)高坂凌太(白樺学園)4分17秒72
(4)渋谷航大(江陵)4分20秒91
(5)小林哲(帯南商)4分22秒73
(6)真野太朗(帯柏葉)4分23秒34
(7)石田洸太(帯三条)4分24秒80
(8)高森将太(白樺学園)4分29秒69
▽5000メートル競歩
(1)出崎悠人(帯柏葉)32分39秒89
(2)阿部冬星(同)34分10秒08
(3)内海凌(同)38分28秒22
(4)長谷川皓生(帯三条)40分28秒96
(4)後藤廉世(同)41分52秒52
(5)西村樹(白樺学園)47分43秒28
▽400メートルリレー
(1)白樺学園(渡部卓、類家大樹、佐々木大、井出啓貴)42秒80
(2)帯緑陽44秒92
(3)帯南商45秒31
(4)江陵45秒34
(5)帯大谷45秒61
(6)帯柏葉46秒18
(7)広尾46秒55
(8)帯農56秒95
▽棒高跳び
(1)西久保聖人(帯大谷)3メートル60
(2)高橋啓太(白樺学園)3メートル00
(3)鈴木悠生(帯緑陽)3メートル00
(4)三好健太(清水)2メートル40
▽走り幅跳び
(1)竹村柾人(白樺学園)6メートル75(追い風1・7メートル)
(2)野村錬(同)6メートル66
(3)水谷司(帯農)6メートル50
(4)古山聖也(帯緑陽)6メートル40
(5)千代学(白樺学園)6メートル20
(6)玉置真希斗(帯農)6メートル15
(7)小林朗人(帯柏葉)6メートル00
(8)熊田和真(帯南商)5メートル92
▽砲丸投げ
(1)小沼理久(帯農)11メートル99
(2)緑川陽太(鹿追)11メートル71
(3)林大雅(白樺学園)11メートル50
(4)牧村翼(帯農)10メートル94
(5)孫崎陸(鹿追)10メートル53
(6)竹中一晃(池田)10メートル25
(7)真野奬太(帯農)9メートル91
(8)小島海人(白樺学園)7メートル78

【女子】
▽400メートル

(1)鶴井萌佳(帯農)1分0秒09
(2)朴虹歩(帯南商)1分0秒46
(3)尾西陽菜子(帯三条)1分1秒34
(4)村上晴海(音更)1分2秒26
(5)中西里緒(芽室)1分2秒36
(6)勝谷沙優(帯三条)1分2秒58
(7)川原愛咲(帯南商)1分2秒78
(8)冨田みはる(同)1分4秒25
▽1500メートル
(1)千頭可奈(帯農)5分4秒53
(2)番場美紅(同)5分7秒74
(3)中村優里(同)5分13秒93
(4)村井奏花(帯南商)5分21秒71
(5)前川夏美(同)5分24秒31
(6)犬塚麻衣(帯三条)5分46秒32
(7)池田日和(広尾)5分55秒17
(8)佐藤寿音(音更)5分58秒44
▽100メートル障害(追い風参考3・1メートル)
(1)丸次優花(帯農)15秒54
(2)宮崎愛瑠(大樹)16秒05
(3)真田知苑(帯南商)16秒07
(4)沼澤杏香(帯大谷)16秒74
(5)坂本怜(帯三条)17秒48
(6)熊谷有紗(音更)17秒50
(7)渡邊麻衣(大樹)17秒53
(8)畠山楓(帯農)18秒67
▽400メートルリレー
(1)帯農(藤澤優希、丸次優花、山内美来、鶴井萌佳)50秒12
(2)帯南商51秒43
(3)帯三条52秒18
(4)江陵54秒43
(5)音更55秒10
(6)帯大谷55秒85
(7)帯柏葉56秒90
▽走り高跳び
(1)稲川愛実(池田)1メートル49
(2)宗形理歩(帯三条)1メートル49
(3)堀川野咲(帯柏葉)1メートル40
(4)片山葉月(江陵)1メートル25
(4)西藤玲魅(帯農)1メートル25
(6)熊谷凪紗(音更)1メートル20
▽砲丸投げ
(1)澤崎明日香(帯農)12メートル51
(2)山戸朱里(同)11メートル55
(3)西島可恋(同)11メートル29
(4)木村朱里(江陵)7メートル75
(5)中村桃花(白樺学園)6メートル56


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