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小学アイホケ帯広2年ぶり全国制覇 攻撃力で頂点に

2年ぶりの全国制覇を決めて歓喜する帯広選抜の選手と指導者、保護者ら

 【軽井沢】アイスホッケーの第10回風越カップ全日本少年大会小学生の部(日本アイスホッケー連盟主催)最終日は29日、軽井沢風越公園アイスアリーナで決勝を行い、帯広選抜が第2ピリオドに4点を挙げて苫小牧選抜を逆転、6-3で勝ち、2年ぶり4度目(風越カップとなってから2度目)の日本一に輝いた。今大会トップクラスの攻撃陣を誇る帯広はFWの五十嵐唯翔(清水御影6年)西来希(浦幌同)の各2ゴールなどで好機を確実に生かして加点、苫小牧に帯広の倍の40本のシュートを打たれたが決定力で上回り全国の頂点に立った。


 帯広は第1ピリオドに五十嵐が先制したが2点を入れられた。第2ピリオドにFW大友宏太(広陽稲田6年)が単独ゴールを決め同点。その3分後には同村瀬鼓太郎(浦幌5年)のパスを西が決めて勝ち越した。その後も苫小牧の攻撃をしのぎつつ、同新居義騎(清水御影6年)、五十嵐がチャンスで決めた。DF金曽駿太郎主将(広陽稲田6年)や、須田泰斗(清水御影5年)と荒井虹達(幕別6年)の両GKらも好守で試合を引き締めた。

 3位決定戦は栃木県選抜が今大会屈指のスコアラーFW上野鉄平(6年)のハットトリックで前回覇者の釧路選抜に6-1で快勝した。(岡部彰広)

【決勝・帯広-苫小牧】優勝を決め折り重なって喜び合う帯広選抜の選手たち

2ピリに秘策 超攻撃布陣で逆転
好守備で苫小牧の猛打しのぐ

 攻撃力を持ち味とする帯広が、準決勝に続き決勝も一時リードを許しながら地力を発揮し逆転。苫小牧のラスト約1分半にわたる6人攻撃をしのぐと、GK荒井虹達を中心に歓喜の輪を作った。

 秘策で一気に主導権を取り戻した。第1ピリオドを守勢で終え、迎えた第2ピリオド。製氷が終わってリンクに上がったのは五十嵐唯翔、大友宏太のダブルエースに昨季までFWをやっていたDF根本怜汰(清水御影6年)のラインだった。帯広で練習していた攻撃重視のスペシャルセット。「リードされていたらやろうと思っていた。1点を取れば爆発するチームだし、何としても(このピリオドで)先に点を」と願いを込めて阿部勇太監督が送り出した布陣だった。

 思惑通りに選手は力を発揮した。パックハンドリングに優れ視野の広い根本、突進力のある五十嵐が開始と同時にアタッキングゾーンで攻め続け、最後は大友が個人技でスロットに入りわずか42秒で同点ゴール。ベンチは一気に盛り上がった。

 その3分後には素早く敵陣に入ってきた5年生センター村瀬鼓太郎のパスを西来希(6年)が難なく左サイドから決め勝ち越し。浦幌少年団の先輩後輩での鮮やかなゴールに西は「ゴール前の合わせは得意。ほぼノーマークだったので決めなきゃと思っていた」と胸を張った。その後も清水御影の全道小学生(1月)Vメンバーの一人、新居義騎のリバウンドシュートや五十嵐のバックハンドゴールと立て続けにゴールした。

 守りでは苫小牧の4試合15得点のエース安藤優作(5年)らのカウンターをしっかり警戒し、決定的な場面をつくらせなかった。2人のGKも好守を連発。金曽駿太郎主将は「試合ごとにみんなで声をしっかり掛けられるようになっていった。リードされても慌てなかった」と会心の笑みを見せた。

 3年連続決勝進出して2度の優勝。阿部監督は「昨年の準優勝の悔しさを知るメンバーを中心に、一つになった。次は中学選抜でも勝ってほしい。今から楽しみ」と新たな伝統を築いた選手たちにエールを送った。

【決勝・帯広-苫小牧】帯広は第1ピリオド28秒、(1)五十嵐唯翔副主将が先制ゴールを決め両手を広げて喜ぶ

期待に応えたエース同士抱擁
清水御影の五十嵐広陽稲田の大友

 清水御影の五十嵐唯翔と広陽稲田の大友宏太の両エースが試合後に抱擁を交わした。2人はそれぞれのチームの要として今季の十勝の頂点を争った。

 今大会でも一つ目のセットで五十嵐、二つ目で大友が攻撃の要となったが、決勝では逆転を目指した第2ピリオドで同じセットを組んだ。大友が同点弾、同終盤には根本怜汰のパックキープから得た好機で五十嵐が押し込み5-2。ベンチの期待に応えた。

 五十嵐は5試合連続ゴールで12得点、大友は4得点。「ちょっと物足りなかったが、金メダルは4年生の新人戦以来だったのでうれしい」と大友。五十嵐も「得意のスピードを生かせてよかった」と互いに役割を果たしたことを喜んだ。

5年4人が活躍来年の連覇誓う
 帯広は優勝メンバーとなった4人の5年生(村瀬鼓太郎・浦幌、野村春菜・開西、須田泰斗・清水御影、木下大地・同)が、来年の連覇を誓った。

 第2セットのセンターとして出場した浦幌主将の村瀬は来季のエース候補。厳しい試合となった準決勝の栃木県戦の得点を含む6ゴールの活躍に「緊張したが、信頼できる6年生のおかげで頑張れた」とほっとした表情。

 また、紅一点の野村は、2013年Vの兄凌馬さんに続き、きょうだいで栄冠を手にした。「これまで攻め上がるのが苦手だったが、今大会は自分から行けるようになった。悔いなくできた」と満足げだった。

 帯広は今回で8大会連続(第6回大会=2011年は震災のため中止=を除く)の4強で、ここ3年は優勝2回、準優勝1回。年をまたいだつなぎ役の5年生の存在は、好成績を後押しする一つの要因となっている。「今大会で5年生は急成長した。それぞれ今回得たものをチームに持ち帰り、また選抜に戻って活躍してほしい」と阿部監督は期待を寄せた。

<決勝トーナメント>
◇3位決定戦

栃木県選抜 6(3-1 2-0 1-0)1 釧路選抜

◇決勝
帯広選抜 6(1-2 4-0 1-1)3 苫小牧選抜

▽得点者
【帯】
(1)五十嵐(1P28秒)
(2)大友(2P42秒)
(3)村瀬→西(2P3分45秒)
(4)西→新居(2P10分31秒)
(5)根本→五十嵐(2P11分54秒)
(6)山本→西(3P1分11秒)
【苫】
(1)安藤→森田→夏野(1P2分54秒)
(2)水橋→森田(1P3分25秒)
(3)安藤→夏野(3P13分9秒)
▽反則
【帯】3(根本3)
【苫】1(夏野)
▽シュート数
【帯】21(5、11、5)
【苫】40(16、10、14)


<小学生帯広選抜>
▽代表=國枝克彦
▽監督=阿部勇太
▽コーチ=榛澤淳、谷口和弘
◇選手
▽GK荒井虹達(幕別6年)須田泰斗(清水御影5年)
▽DF=金曽駿太郎(広陽稲田6年・主将)根本怜汰(清水御影6年・副主将)室崎健太(清水御影6年)伊藤涼(V大空6年)木下大地(清水御影5年)野村春菜(開西5年)
▽FW=五十嵐唯翔(清水御影6年・副主将)山本涼(清水御影6年)新居義騎(清水御影6年)西来希(浦幌6年)大友宏太(広陽稲田6年)武田侑真(幕別6年)奧村柊(開西6年)福田詩音(開西6年)村瀬鼓太郎(浦幌5年)


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