浦幌出身の映像作家榊原さん、古里撮影
【浦幌】映像やアニメーション作家、漫画家として幅広く活動している町内出身の榊原澄人さん(34)=長野県在住=が、地元へ帰省して10日から約1週間にわたり、厳冬期の町内の様子などを撮影した。来年にも発表する新作にまとめる予定という。榊原さんは「自分の原点として北海道・十勝の生まれ育った地・浦幌の冬の映像がほしかった」と話している。
榊原さんは、1980年浦幌生まれ。15歳でイギリスに渡り、ロンドンの英国王立芸術大学アニメーション科卒業。日英新聞に漫画を連載した他、絵本作家、イラストレーターとしても活動。文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞など国内外の多くの賞を受けている。町立診療所所長の榊原政裕医師の3男。
榊原さんは、父親の生家でもある町内直別の榊原牧場とその近辺を舞台に、現場入り。スタッフ3人と共に寒さに耐えての撮影だったが「北海道の寒さを映像でも感じることのできる時期を狙った」と語り、牛舎や屋外で撮影を続けた。
14日には、地元の同級生数人が子供と共にエキストラ出演。自らも幼い頃に遊んでいた直別川で、アイスホッケーや雪合戦に興じる親子を撮影した。
榊原さんは「幼い頃に遊んだ川、凍った川、白い雪など東京には失われた何かがここにはある」と語り、出演する同級生らに熱心に演技指導を続けていた。
今回撮影した映像は「ラポロ」と題した作品に仕上げて発表する予定。(広橋基嗣通信員)