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エトピリカはく製を展示 浦幌町立博物館

浦幌町立博物館の展示室に設置された海鳥「エトピリカ」のはく製。だいだい色の大きなくちばしが特徴的

 【浦幌】昨年7月に豊頃町の豊北海岸で保護され、その後釧路市の専門機関で死亡した絶滅危惧種「エトピリカ」がはく製に加工され、12日、浦幌町立博物館(佐藤芳雄館長)に展示された。国内で数十羽しか生息が確認されておらず、十勝でも数羽が見られるかどうかという非常に希少性の高い海鳥。同博物館は常設展示することから来場を呼び掛けている。

 エトピリカは昨年7月16日、同海岸で弱って波打ち際にじっとしているのを浦幌野鳥倶楽部の久保清司さん(浦幌町在住)が発見して保護。同日中に釧路市の猛禽(もうきん)類医学研究所に移送された。

 しかし、衰弱が激しかったため死亡。同博物館は、エトピリカの保護に携わったNPO法人日本野鳥の会十勝支部の千嶋淳副支部長を通じて環境省釧路自然環境事務所から譲り受け、はく製を作ることにした。

 展示されたはく製は、成鳥にみられる顔の白い部分がなく、2~3歳の若鳥。はく製を手掛けた丹青社(本社・東京)札幌支店によると、エトピリカの依頼はほとんどないという。佐藤館長は「はく製としても非常に希少なもの。ぜひ見学して自然の魅力を感じてほしい」と話している。

 同博物館は入館無料。午前10時~午後5時。休館日は月曜と祝祭日の翌日。問い合わせは同博物館(015・576・2009)へ。(円子紳一通信員)

<エトピリカ>
 アイヌ語で「くちばし・美しい」の意味で、名前の通りだいだい色の大きなくちばしが特徴。国内では根室市のユルリ島、モユルリ島が唯一の繁殖地で、30羽ほどしか生息していない。十勝沖では例年、見られる場合でも1~2羽程度だが、昨年の浦幌・厚内沖では10羽前後の若鳥が観察されていた。


◆エトピリカについて
エトピリカ-ウィキペディア
エトピリカってどんな鳥?-ETOPIRIKA~エトピリカのいる海~

関連写真

  • 浦幌町立博物館の展示室に設置された海鳥「エトピリカ」のはく製(右)。横に並ぶカワアイサに比べて小型だが、だいだい色の大きなくちばしが特徴的

    浦幌町立博物館の展示室に設置された海鳥「エトピリカ」のはく製(右)。横に並ぶカワアイサに比べて小型だが、だいだい色の大きなくちばしが特徴的

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