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フクドリ末脚発揮逆転V ばんえい帯広記念

第2障害を降りてから強力な脚を発揮するフクドリ(安部憲二騎手)。先行馬を捉えて逆転勝利した

 ばんえい十勝は2日、正月を飾る伝統の重賞レース「農林水産大臣賞典第37回帯広記念」(BG1)を行い、単勝6番人気のフクドリ(セン9歳、皆川公二調教師、安部憲二騎手、馬主は帯広市・広瀬豪さん、生産者は浦幌町・北村節子さん)が第2障害を降りてからの力強い末脚で逆転し、重賞2勝目を飾った。タイムは2分51秒6(馬場水分2・3%)。2着には8番人気のホッカイヒカル(牡11歳、坂本東一調教師、阿部武臣騎手)、3着にはフジダイビクトリー(牡7歳、皆川公二調教師、西謙一騎手)が入った。全国発売となった同レースの売り上げは4901万5900円だった。

 ばんえい負担重量は900キロ前後の高重量戦。序盤は各馬ともスローペースで進んだ。何度も止まりながら第2障害に先にたどり着いたのは(6)ホリセンショウ、(3)フクドリ。各馬横一線となって、初めにクリアしたのは(6)と(5)ホッカイヒカル。2頭そろって後続馬を引き離しにかかるが、ゴール手前で(6)が失速。後ろから迫ってきた(3)が先行馬を次々に捉えると得意の末脚を生かしてそのままゴールした。(川野遼介)

正月の大一番で重賞2勝目を飾ったフクドリ(左から5人目が皆川調教師、馬の左が安部騎手)

「理想の展開」得意の末脚爆発
 「最高の状態で臨めた」と皆川公二調教師は振り返る。昨年10月の北見記念で重賞初勝利を飾ってから、好調を維持してきた。このレースに照準を合わせて、中間の練習も他の馬よりも積んできたという自負がある。北見記念に続く4大記念の制覇。皆川調教師は「マイナス15度と寒い中、これだけのレースをするのは大したものだ」と1着に導いた安部騎手をたたえた。また「(皆川厩舎の)家族9人総出で帯広に移住してきて、“帯広”の冠が付いたこのレースに勝利できたのはうれしい」と喜びを表した。

 高重量戦を得意とするフクドリにとっては理想のレースだった。第2障害へは前の方で到達。ホリセンショウ、ホッカイヒカルに先を許したが、安部騎手は「(フクドリは)障害を降りてからの脚があるので行けると思った」と落ち着いた様子で振り返った。安部騎手の予想通り、先行馬が障害後にストップする中、フクドリだけが止まらずにゴールした。今年48歳になる年男の安部騎手にとって、新年を最高の形でスタートさせた。

 次の目標は3月の最高峰レースばんえい記念。昨年2着と健闘し、今年はさらなる期待がかかる。2人は「今の調子なら絶対取れる」と同馬の飛躍に期待を込めた。


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