殺処分予定の牛、中札内の処理施設から逃走 3日間の大捕物
【中札内】十勝農協連(山本勝博組合長)が村内で運営する死亡畜専用処理レンダリング施設(村元札内東21)から8月29日、体重約500キロの黒毛和牛の雌1頭が逃げ出した。2日後の同31日に約4キロ離れた場所で発見され、帯広警察署が観光施設近くの村道を約4時間半にわたって通行止めにするなど3日間の大捕物の末に捕まった。
同署と同農協連によると、この牛は病気を持っており、殺処分される予定だった。施設内にロープでつながれていたが、同29日午前10時から同11時ごろの間に無施錠だった柵から逃走した。同農協連とJA中札内村職員、帯広警察署員が総勢30~40人態勢で捜索を続け、翌30日施設近くで発見したが再び逃げられた。
31日は午前5時から捜索を再開。ふんなどを手掛かりに村南常盤東5線の防風林内で見つけ、帯広動物園の獣医3人も加わり麻酔銃で狙ったが逃走を続けた。午後1時半には隣接する村道45号を通行止めにした。結局日没直前までにらみ合いとなり、午後6時ごろに西隣のデントコーン畑内で3回目の麻酔銃発射が当たって眠らせ、大型トラックに収容した。
現場の村道は、花畑牧場や中札内農村休暇村フェーリエンドルフなどからも近く、特に休日などには観光客も多く通行する地域。黒毛の牛は夜の闇に紛れると見えにくくなり、交通事故などが発生する危険性も考えられた。同農協連は「あってはならない事態。近隣住民らに迷惑を掛けた。再発防止に努めたい」と話している。