難病のALS協会帯広支会正式発足 在宅療養の環境整備を
筋萎縮側索硬化症(ALS)の患者会「日本ALS協会北海道支部」(深瀬和文支部長)の帯広支会が14日に発足した。十勝管内の患者や家族、医療・福祉関係者らが情報を共有し、患者が在宅で療養できる環境の整備を目指す。
ALSは神経難病の一種で、手足や呼吸に必要な筋肉などが痩せていく。1年間に10万人当たり1、2人が発病するとされている。
同支部が昨年10月に帯広で医療講演会を開催したのを機に、支会設立の機運が高まった。これまでに数回の会合を重ね、同日、市内の六中プラザで開かれた会合で正式に発会した。支会長には患者家族の東洋(あずま・ひろし)さん(43)、顧問に帯広厚生病院神経内科の保前英希主任部長が就いた。
支会では今後、講演会などを通じて患者や関係者に情報提供する。また、病気が進行した患者にとっては、たんの吸引ができる介護人材の不足が在宅療養のネックになっていることから、ヘルパーなどを対象とした研修を開くことを検討している。
東支会長は「生活の質を高めようと在宅を希望しても、十勝ではALS患者に在宅サービスを提供してくれるところが少ない。そういう環境だと思い込んでしまわないよう、在宅も選択できるインフラをつくっていきたい」と抱負を語る。
患者で自宅療養している深瀬支部長(札幌)は「十勝ではまだ患者が在宅で生活するという観念が薄い。患者が自宅で自分らしく生きていけるよう、支会で団結して声を上げていってもらいたい」と期待した。(丹羽恭太)
◆筋萎縮側索硬化症(ALS)について
・一般社団法人 日本ALS協会-公式ホームページ
・ALSとはどんな病気?-一般社団法人 日本ALS協会ホームページ