芽室町内各地で廃棄家電の大量不法投棄 計２００台以上
数メートル上の道路から落とされ、冷蔵庫やテレビなどが散乱する現場（１１日午後０時１５分ごろ）
【芽室】１１日午前８時４５分ごろ、町芽室南２線の農家から「敷地内に洗濯機８台が不法投棄されている」と役場に通報があった。同所と同町西士狩の２地域一帯からテレビや冷蔵庫など不法投棄された大量の廃棄家電用品が発見され、同日午前中だけでも１００台以上が確認された。町内では５月末にも３カ所で廃棄家電１００台以上の不法投棄が見つかっており、町から通報を受けた帯広署では廃棄物処理法違反などで捜査を進めている。
町職員が１１日午前、芽室南２線の不法投棄現場を確認した後、同日午前１０時ごろには町西士狩北６線の産業廃棄物処理業者からも「事業所敷地内に冷蔵庫やテレビなどの家電が大量に不法投棄されている」と町に通報があった。町職員は町道と同事業所をつなぐ取り付け道路脇の沢に投棄されているテレビ約１０台、冷蔵庫・冷凍庫合わせて２０台以上を確認した。
また、現場に居合わせた同事業所近隣の農家からも「テレビ２０台以上が敷地内に捨てられている」と報告があり、周辺を確認したところ、町道脇の山林からさらに数十台のテレビ、冷蔵庫が不法投棄されているのが見つかるなど、不法投棄された家電は発見分だけでも１００台以上に上る。
町役場によると、５月３０日にも町内では大量の家電が不法投棄されているのが発見された。町美生の美生川堤防付近の山林２カ所、東芽室の農家の畑１カ所でテレビ・冷蔵庫合わせて１２１台が見つかっており帯広署に通報、同署も警戒を強めていた。
◆過去に例がない大量・広範囲の不法投棄に町困惑
１１日に芽室町内で相次いで発見された不法投棄の現場では、町道脇の沢へ、草をなぎ倒すようにして滑り落とされた電化製品が無数に散らばっていた。捨てられていた廃棄電化製品などは業務用、家庭用を問わず、冷蔵庫、冷凍庫、テレビ、ストーブ、洗濯機などさまざまで、周辺で農業を営む男性（５３）は現場の光景を目の当たりにして「信じられない…」と顔をしかめた。
発見現場の一つ、町西士狩の産業廃棄物処理業者の男性社長（３７）は「周辺はこれまでも不法投棄があったが、これほどの規模のものは聞いたことがない」という。１０日午後５時ごろまでは施設に従業員が出入りしており、その際は不法投棄は見つかっておらず、「１０日の夕方から、発見された１１日の朝方までの間に、トラックなどで運んだのでは」という。
５月末からの不法投棄現場は町内の東芽室、西士狩、美生川周辺など広範囲にわたる。町は「過去にこれほどの不法投棄は例がない」と困惑している。５月３０日には町内３カ所でテレビ・冷蔵庫など計１２１台の不法投棄を確認し、６月２日に撤去して現在は町車両センターに保管している。
１１日の不法投棄は「多くが深い沢に落とされており、役場職員の人力での撤去は無理。クレーンなどが必要で業者に委託しなければならない」（町住民生活課）という。確認できた現場以外にも不法投棄が行われていることも予想され、処理費用、撤去までの日数などは１１日午前の段階でめどが立っていない。「処理費用は税金で賄われる。許せない」（同課）と怒りをあらわにしていた。（大谷健人、川野遼介）
◆家電製品の大量不法投棄について
・「大量廃棄、新たに４町 家電不法投棄」－十勝毎日新聞電子版（2014/06/12）
・不法投棄、芽室町内で新たに１件発見－十勝毎日新聞電子版（2014/06/13）
