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80歳から切り絵取り組み10年超 音更の鈴木さん

自ら制作した作品を手に切り絵の魅力などを語る鈴木さん

 【音更】町駒場地区在住の鈴木みはるさん(91)は、80代になって始めた趣味の切り絵作品の制作を続けて11年目になる。鈴木さんは社会福祉法人更葉園が運営している小規模多機能型居宅介護施設「きずな」(三浦昭博施設長)を利用。同施設滞在中に制作に取り組み、作品は他の利用者や職員らの評判になっている。鈴木さんは「作品をきれいと思って見てもらえるよう手の動くうちは続けたい」と話す。

 鈴木さんが切り絵を始めたのは、家業の農業や家事から退き、介護のデイサービスを利用し始めた80歳から。当時利用していた別の施設の職員に勧められたことがきっかけだった。

 幼少の頃から清水町の実家で農業を手伝い、音更へ嫁いでからも農業一筋に仕事の他、家事・育児を担った鈴木さんは、それまで絵などを描いたことはなく、制作は手探りだった。最初はちぎり絵の形で始めたが、仕上がりのきれいさから、はさみを使う切り絵へ変えた。

 使う材料は新聞紙やチラシ、折り紙、千代紙など。画用紙に下絵となる絵柄をコピーし、材料を色ごとにはさみで5ミリほどのひし形に切って、色を見ながら一つ一つ丁寧に爪ようじでのりを付けて貼る。

 現在、作業は「きずな」に滞在している時間に行っており、作品1つを完成するのに1、2カ月かかる。新聞紙は、折り紙のように単色ではなく色の濃淡や階調がさまざまあるため、「どの材料の色が表現したい色に当てはまるかを選ぶのが大事」という。

 これまでにタンチョウのつがいや満開の桜の花、紅葉、城郭、浮世絵の風景画などを題材に緻密な作品を完成させ、他の利用者や職員たちを楽しませている。また、完成作品の一部は、3人の孫たちにプレゼントして喜ばれている。

 制作を続けることに鈴木さんは「黙って何もしないのが嫌で趣味として続けるだけ」としつつも、「やるほどにもっときれいに作りたいとも思う。褒めてもらえるとありがたいので、これが今、私のできる仕事と思っている」と笑顔で語っている。(井上朋一)

関連写真

  • 切り絵作品の制作に当たる鈴木さん。爪ようじを使って5ミリほどの紙を下絵に貼る細かい作業が続く

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