いすや日よけ傘 利便性向上 焼き肉グッズ商戦
十勝ではゴールデンウイークにサクラが見頃となり、公園などでは花見も“花盛り”。平年よりも早い桜前線の北上で、帯広市内のホームセンターでは客足が一気にピークに達し、精肉店や酒店でも肉や大容量の酒類が売れている。一戸建ての家が多く庭が広い十勝では、家庭での「バーベキュー率」が高いとされ、日よけのパラソルやいすなど、「便利」「快適化」した商品が売り場をにぎわせている。
帯広測候所の観測史上4番目に早い帯広のサクラ開花発表を受け、5月中旬を関連商品の売り上げピークに設定していた市内のホームセンターでは一気に品薄に。ホーマックスーパーデポ稲田店(稲田町南9線)では、関連商品の売り上げが前年同期の3倍、焼き台は同4倍、焼き網は同5倍となった。焼き台は肉などの食材を多めに載せられる4~7人用(4000円台)が中心で、炭台部分が引き出し式で炭を容易に追加できるタイプが人気という。
ジョイフルエーケー帯広店(東7南16)では薫製機やたき火の上に鍋をつるせるセットなど焼き台以外の商品が充実。両店とも折り畳み式のいすも必需品とし、セットで買い求める家庭が多いという。いすはドリンクホルダーが付いた商品が定番で、いすのパイプ部分に取り付けられる日よけ用の傘も売れている。
「炭を触るための子供用の軍手や炭の処理が楽な厚手のアルミシートなどの便利グッズも人気で、十勝の人は屋外での焼き肉を気軽な家族行事として楽しんでいる印象」(ホーマック)。
市内の精肉店では肉の配達や焼き台の貸し出しの予約が好調。30年以上前から、肉の購入者に無料配達と焼き台をレンタル(有料)している、かんの精肉店(大通南28、菅野広見社長)では、今年は例年よりも早い3月下旬から予約が入り、4月下旬から連日問い合わせが寄せられる。予約が重なる日は応じられないこともあるため「(希望日に実施できるよう)早めに動いている」(菅野義博専務)。
ジンギスカンやサガリなど4種類の肉を炭コンロで味わえる「おまかせコース」(1人1350円~)が人気。「増税の影響があるかと思ったが、団体客については単価も件数も減っていない」(菅野専務)とする。ピークは今月10、11日と17、18日だが、「夏の間は晴れている土・日曜は必ず予約が入る」という。
肉ノ五右衛門(西9北1、竹内智博店長)は1万円以上の購入で、無料配達と焼き台のレンタル、炭起こしをサービス。有料でいすのレンタルやごみの回収にも応じる。「肉の相場が上がり、平均単価は高くなっているが、予約は好調」(竹内店長)。
売鮮市場テキサス本店(西20南2、齊藤貴之店長)では、樽ビール(7~20リットル)も販売し、ビールサーバーのレンタルを実施。消費増税前の買いだめの影響で4月の売り上げは同年月比2割減だったが、サーバーの予約は平年並みで、齋藤店長は「増税にかかわらず、年に一度の行事を楽しもうと購入する人が多く、既ににゴールデンウイーク中は予約で埋まっている日もある」という。
(原山知寿子、澤村真理子、高津祐也)