シラカバ並木更新保全へ 観光名所十勝牧場
【音更】町駒場地区にある家畜改良センター十勝牧場入り口のシラカバ並木(延長約1・3キロ)について、町と同牧場、十勝川温泉観光協会の3者は今年度から、倒木などの危険がある古いシラカバを伐採して植え直す更新事業に乗り出す。同並木の景観は、国内外から訪れる観光客らの人気スポットともなっているため、長期的視点で保全する。今後、住民参加型イベントなどで植樹することも視野に入れ、更新作業の具体的な手順や手法など検討を進める。今年度分の作業は秋までにも終えたい考え。
同並木は、砂利道の両側に567本のシラカバが立ち並んでいる。これまで、既存の大きく育ったシラカバの間へ、若い樹木の植栽も行ってきた。しかし、日当たりが少なく根が張りにくいためか大きく育たず、更新が課題だった。
シラカバは通常、寿命40年とされる中、同並木では樹齢70年を超えて立ち枯れの状態となっている木の他、幹が割れたり折れたりしている木も出ている。現段階で3者が調べたところ、伐採が必要なのは約400本あり、新たに植栽すべき数も約390本あるとみている。
更新事業は約400本の木を年約40本ずつ伐採して新たに植え、10年程度かけて完了させる構想。今年度は、町が商工観光費に150万円を計上して同協会に補助、同牧場と連携し、実際の作業では住民参加型の植栽を検討している。
同並木の砂利道の土地は同牧場所有だが、道路としては町道に指定され、町が維持管理を担う。防疫上、一般の立ち入りが禁止されている区域を除き、同牧場内の展望台まで自由に入れ、同並木は海外からの観光客にも人気の記念撮影スポットとなっている。
十勝牧場は「観光資源の側面もあるので、防疫上限られた範囲での一般の立ち入りだが、(保全する並木を)楽しんでもらえれば」(総務課)とし、同協会は「十勝を代表する観光スポットを後世に残したい」(事務局)、町は「知恵を出して大切に守り維持したい」(商工観光課)としている。(井上朋一)