夢探し広尾高に越境入学 千葉市の宮坂さん
【広尾】千葉市在住で、サーフィンの国内同世代トップクラスの実力を持つ宮坂麻衣子さん(15)が8日、広尾高校に越境入学した。小学生の頃から足を運んでいる広尾の海でサーフィン漬けの毎日を過ごそうと飛び込んだ。当時からの支援者宅に下宿しながら、サーフィンだけでなくヤマメ釣り、コンブ干し、山菜採りなどの体験を重ね、将来の夢を見つけるつもりだ。2人の姉のようにプロサーファーも視野に入れている。
宮坂さんが広尾に初めて足を運んだのは小学校4年生のとき。所属していたサーフィン店(千葉)の紹介で来町した。練習に適した良い波が安定的に押し寄せるフンベ海岸の環境に感動。町内の池下藤一郎さん(31)らから宿舎などの支援を受け、夏休みなど学校の長期休暇に足を運んではプロサーファーになった姉桃子さん(18)、莉乙子(りおこ)さん(16)と波に乗っていた。昨年の全日本サーフィン選手権大会ショートボードのガールズ(18歳以下、高知県)では4位に入っている。
広尾高校への越境入学は中1の頃から頭にあったが、「池下さんに迷惑を掛け、両親にも費用の負担を強いる」と踏ん切りがつかなかった。それでも広尾の自然、まちの雰囲気、町民の人柄に「千葉に帰る日が来るたびに大泣きする」(池下さん)ほど愛着があることから、「広尾でなら自分の夢を見つけられる」と決めた。
母美恵さん(40)は「いってらっしゃいという気持ち。本人の希望を尊重した」と夫康司さん(42)と快諾。「(下宿先の)池下さんの好意に甘えさせてもらった」という。池下さんは「彼女の夢探しを応援したい」と歓迎している。
天真らんまんな性格で、人見知りはしない。8日の入学式でも早速、クラスメートから声を掛けられた。「みんなが笑顔で迎えてくれてありがたかった」とほっとした様子。今後は自転車にサーフボードを積んで毎日のように海に通い詰める。「見かけたら声を掛けてくださいね」。広尾での新生活で描く未来は、希望にあふれている。
(関根弘貴)