帯広刑務所の刑務作業製品「そば打ち台」好評 所長が企画
帯広刑務所(中川忠昭所長、帯広市別府町)が昨年秋に製品化した刑務作業製品のそば打ち台が好評だ。各地の刑務作業展で購入希望が相次ぎ、今や納品は1カ月待ちの状態。道内有数のそば産地・十勝をアピールする製品として開発された経緯もあり、中川所長は「帯広刑務所を代表する製品として定着させていきたい」と話している。
そば打ちが趣味の中川所長が昨年4月の着任時に「十勝らしい製品を」と企画、半年間かけて昨年秋、同刑務所のオリジナル製品として開発された。天板と脚が分離できる木組み構造で、くぎなどの金具を一切使っていないのが特徴だ。
天板サイズは「92センチ四方」と「縦1・2メートル、横1メートル」の2種類で、高さはいずれも75センチ。価格は1万5000~3万7000円で、設計を担当した村上正樹法務技官は「市販の物よりサイズも価格も手頃」と話す。
開発当初に製品化した5台を十勝管内のそば打ち愛好者にお披露目したところ、その場で購入希望が入り、その後の刑務作業展でも「今すぐ買って持ち帰りたい」などと好評だった。口コミで人気が広がり、3月中旬まで既に20台を販売した。同刑務所が製造する約30種類の木工製品の中でも「半年間で20台が売れるのは異例」(中川所長)という。
月5台の製造ペースでは注文に追いつかず、現時点では在庫不足の状態。さらに2台の購入予約も入っており、村上技官は「納期は1カ月待ちになっている」とうれしい悲鳴を上げる。
同刑務所では、そば打ち台の製品化に併せ、まな板やこま板、のし棒などそば打ち道具もそろえている。今後も全国の刑務作業展で展示販売されるため、中川所長は「そば処(どころ)の十勝を全国に発信できる製品に育ってほしい」と期待している。
(杉原尚勝)