「銀の匙」公開間近 盛り上がる地元
「銀の匙」特別試写会の上映開始を待ちわびる招待客（４日、シネマ太陽帯広で、塩原真撮影）
帯広農業高校をモデルにした人気漫画の実写版映画「銀の匙（さじ）Ｓｉｌｖｅｒ Ｓｐｏｏｎ」の公開開始（７日）が迫り、物語の舞台でロケが行われた帯広・十勝は盛り上がりを見せている。公開に先立ち、４日にシネマ太陽帯広で行われた特別試写会には４６００通の応募が寄せられ、関連写真展も帯広市役所、十勝合同庁舎ロビーで開催。上映に合わせて原作の漫画の最新刊１１巻も５日に発売され、「銀匙」ブームが十勝に広がっている。
一足先に試写会２３０人楽しむ
○…４日午後６時半から行われた特別試写会（主催・十勝毎日新聞社、共催・ＯＣＴＶ、ＦＭ－ＪＡＧＡ）には、主催者側としては過去最高の応募数を更新。２０倍の高倍率の抽選を突破した子供から高齢者までが、一足先に作品を楽しんだ。
上映開始前にＯＣＴＶキャスターの和田智樹さんが登場。「ヒットさせるぞ」コールに「おーっ」と声を上げ、ご当地映画のヒットを願った。帯広競馬場や十勝の農村風景が多く登場するシーンや、笑いあり涙ありの物語を満喫していた。
広陽小６年の八代舞音さん（１２）は「ラストは感動して泣けた」と感激した様子。クラスメート役でエキストラ出演したとわの森三愛高校３年の杉目良平さん（１８）は「４月から酪農学園大に進学するが、農業高校を伝えられる作品だった。撮影を頑張って良かった」と喜んでいた。（原山知寿子）
公共施設や上映館もＰＲ
○…管内で唯一同作品を上映するシネマ太陽帯広（帯広市西３南１１）では、スタッフが作品の「エゾノー（大蝦夷農業高校）ジャージー」で出迎えている他、「公開まで残り○日」のカウントダウンポスターや十勝ロケの写真や新聞記事を掲示、来場者にＰＲしている。
写真は配給元の東宝から提供を受けた約５０枚を展示。牛乳型消しゴムを特典に加えた特別前売り券は既に完売し、柏浦亜紀恵統括マネジャーは「前売り券の売れ行きは道内映画館でもトップ。幅広い年代層から問い合わせがある」と、地元・十勝の反響を喜ぶ。
十勝総合振興局も４～１８日、十勝合同庁舎１階の道民ホールで、映画「銀の匙ＳｉｌｖｅｒＳｐｏｏｎ十勝総合振興局フェア」を開いている。市役所市民ホールでも６日まで同様のパネル展が開催中で、来庁者が足を止めて見ている。（原山知寿子）
１１巻が発売
○…「銀の匙（さじ）Ｓｉｌｖｅｒ Ｓｐｏｏｎ」（週刊少年サンデー連載）の単行本最新刊１１巻が５日、全国発売された。帯広市内の書店では、７日公開の実写版映画に絡めて大々的に売り場展開している。
帯広喜久屋書店／ザ・本屋さん（長崎屋帯広店４階、山本恒平店長）では、人気コミックスの倍近い５００冊を入荷。「銀の匙の人気は断トツ。映画公開でさらに注目が高まるのでは」（担当の四方由紀子さん）とみている。
宮脇書店帯広店（佐藤美鶴店長）、ＴＳＵＴＡＹＡ帯広大通店（川上公一店長）でも各約３００冊を入荷、１巻から並べる特設売場に平積みして販売している。佐藤店長は「コミックスの入荷分として非常に多い。映画化の話題がなくても、安定して人気がある作品」と話し、期待している。（丹羽恭太）
