不適切会計で240万円未払い 芽室の災害復旧工事
【芽室】町が2012年3月に発注した町道の災害復旧工事で、不適切な会計処理が約1年半にわたり行われていたことが4日までに分かった。町は設計ミスにより増加した工事費用約515万円を補正計上せず、他の工事費用に転嫁して業者に支払い続けてきた。現在も約240万円が未払いの状態。町は当時の担当者を処分し、速やかに残額を支払う方針。
問題となっているのは町道中渋山高台線の災害復旧工事。11年9月の大雨で同路線のり面が崩壊したのを受け、町が12年3月に工事を発注、町内の業者が請け負った。しかし、土量不足など町の担当者による設計ミスが明らかになり、同7月の完成までに実際の工事費用が当初の額より515万円増えた。
本来は補正予算として計上すべきところを、設計・予算変更など正規の手続きを怠り、その後にこの業者が請け負った約20件の道路修繕など入札によらない工事費用に上乗せする形で、現在までに約270万円を支払う不適切な会計処理を続けていた。
13年4月に着任した現担当課長が今年度の公共工事の支払い状況について精査する中で、不適切な会計処理が分かったという。
町は、退職後に町の嘱託職員として勤務していた当時の担当課長との勤務契約を1月末で打ち切り、今後、関わった担当職員も処分する方針。6日の町議会議員協議会で事態を説明、その後、速やかに残額を予算計上し、業者への支払いを行うという。
齊藤明彦副町長は「不適切な会計処理により、町民の信頼を損ない、業者などに迷惑を掛けたことをお詫びしたい」としている。
(大谷健人)