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2年5カ月ぶりに復刊 帯広「馬文化新聞」 

2年5カ月ぶりに復刊した「馬文化新聞」を手にする旋丸専務理事

 NPO法人とかち馬文化を支える会(三宅陽一理事長)が会員向けに無料で配布していた「馬文化新聞」(A3判、両面印刷)が2年5カ月ぶりに復刊を遂げ、第14号が14日に発行された。先人らの貴重な記録や文化を紡ぐ“生きた教材”に-という会員らの思いが実を結んだ。創刊から取材、編集を手掛ける同会の旋丸巴専務理事は「薄れゆく記憶を今一度、後世に残すことには意義がある。改めて馬文化の土台を強固にし、ばんえい競馬の支援につなげていきたい」と意欲を新たにしている。

 同新聞は「馬文化の継承」をテーマに2008年2月に創刊。年3、4回のペースで発行を続けてきた。紙面では旋丸専務理事が自ら採録した語り部の話を基に、馬と暮らす当時の人々の生活風景などを掲載している。

 ときには特集も組み、第6~8号で連載された「軍馬特集」では、終戦まで軍馬の育成を担った旧陸軍軍馬補充部十勝支部(本別町仙美里)について紹介。第7号では同支部に勤めた故笹森留好さん(享年90歳)の半生を長男の茂美さん(75)が振り返っており、「おやじは五輪馬術競技の金メダリスト西竹一大佐(バロン西)の馬の世話を任されていた」などと写真を交えて詳細につづっている。

 時代を想起させる紙面が好評を得る一方、同会は資金難で11年8月の第13号を最後に休載。以降、全国に点在する約300人の会員や、かつての愛読者から復刊を期待する声が高まっていた。

 旋丸専務理事は「資金面の問題は残ったままだが、今後も皆さんの力を借りて発行を続けたい」と話している。同新聞のバックナンバーは、帯広市図書館で閲覧可能。現在、語り部や馬文化に関する資料、写真の提供者を募集している。問い合わせは同会(0155・67・6890)へ。
(小縣大輝)

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