安全だけど混雑大変 国道241号ゼブラゾーン まちマイ音更編
【音更】事実上の片側2車線走行から「ゼブラゾーン」の導入(2012年11月)で片側1車線走行に変わって1年余りたつ音更町木野地区の国道241号。この間、同国道を通行する際に無理な追い越しなどがなくなり、安全になったとする声が多数ある。半面、片側1車線が固定化されたため、時間帯や方向、場所によっては渋滞が発生したり、右折車が本線上に残って後続車の流れが悪くなったりなどの問題も指摘される。同国道沿いの商業施設などを歩き、買い物客や通勤者ら国道を利用する人たちの声を聞いた。
27日正午ごろに同国道沿いの商業施設で買い物を済ませた音更町内在住の無職竹田敏さん(70)は「(ゼブラゾーンの導入は)慣れるまで違和感はあったが、慣れれば運転が楽になって良かった」と高く評価する。
以前も片側1車線だったにもかかわらず、中央線側から追い抜く車が後を絶たず、「特に右折で商業施設に入る際は、(追突されそうで)おっかなかった」(竹田さん)。混雑も感じるが、「だから朝夕のラッシュ時を避けてお昼の時間帯に移動して買い物などを済ませている」と工夫する。
半面、上士幌町在住のパート女性(50)は「帯広へ出るのに40~50分だったけど、今は下手をすると1時間から1時間半かかる。沿道の商業施設への右折車があると本線の流れが止まり、余計な時間が掛かるばかり。何にしても早く全路線を片側2車線化(4車線化)して」と語気を強める。
士幌町在住の会社員中尾啓次郎さん(63)も4車線化を望む。「特に帯広から音更方向へ十勝大橋を渡ったあたりが大変。橋の上で左側車線に入れないと国道上を進めない。しかし(車線を)譲ってもらえないことが多く、4車線化で解決してほしい」と主張する。
音更町の主婦藤田英訓江さん(63)も「今や車は1人1台持つ時代。それだけ交通量も増えているので、4車線化が理想」とし、帯広市在住で音更町内の勤務先に通っている丸岡孝弘さん(27)も「今は混雑する国道を避けるようにして、ほかの迂回(うかい)路を使っている。拡幅するための土地の確保など大変だと思うが、できれば4車線化を望みたい」と話す。
ゼブラゾーンと4車線化それぞれへの賛否両論が出てきた今回の取材。読者の皆さんはどう考えるだろうか? (井上朋一)
消えた「並走」・右折時浸透
冬季見極め検討さらに
交通の安全確保とともに、混雑緩和が求められている国道241号問題。同国道を管理する帯広開発建設部はどのように対策を進めているのか。帯広開建で十勝管内の国道整備について企画・立案を所管している道路計画課を訪ねた。
同国道では以前から、片側1車線にもかかわらず、“ローカルルール”で片側2車線の走行が常態化しており、特に地域住民から交通の安全確保に懸念の声が強く出ていたという。
このため、帯広開建では2011年度から地域住民や学識経験者、行政関係、警察、消防、民間のバス・タクシー事業者らで構成する懇談会を開催。昨年10月までに年2回のペースで計6回の懇談会を開き、ここでの議論を踏まえて12年11月にゼブラゾーンを設置することとして、完全片側1車線化を実現した。
帯広開建がゼブラゾーン導入の効果を検証したところ、本線上と交差点付近で異なるものの、導入前の併走車両の割合は4~6割あったのに対し、導入後には0~1%に激減した。
また、沿道の商業施設へ右折で進入する際には、対向の直進車を待つためにゼブラゾーン内で停車できるが、このような利用方法についても、導入後1週間後と9カ月後とを比較検証した。すると、1週間後の平日では同ゾーンを利用する車の割合は、車体の半分以上が同ゾーンに入る形になっていたのが46・3%だったのに対し、9カ月後にはほぼ倍の88・3%に増え、休日でも9カ月後に17ポイント以上増える結果となった。
帯広開建道路計画課の金井仁志課長は「安全対策として一定の効果は出ているようだ」とした上で、「ただ、確かに交通混雑など円滑性に課題が残るとの指摘もある。現在、冬期の利用状況についても調査を進めている。今後、新年度に開く予定の懇談会を中心に、具体的な対策について総合的に検討したい」と話している。
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