北電が電線にカラスよけ整備 大樹
【大樹】西本通行政区(清信一士区長)などの地域住民がカラスのふんによる景観悪化に悩まされている問題で、北電は19~21の3日間、国道236号沿いの電線(東西それぞれ138メートル)にカラスよけを設置した。プラスチック樹脂製のとげ状のもので、カラスが止まろうとすると電線を軸に回転する仕組み。「清潔な街並みを取り戻したい」と要望していた地域や行政からは、安堵(あんど)と感謝の声が上がっている。
同社のふん害防止対策の一環。東西の電線に約280個ずつ計約560個を設置した。同社帯広支店大樹営業所によると、道内では海岸沿いや都市部の一部の電線に設置することが多く、今回のような規模のものを町村市街地に整備するのは珍しいという。
新たに設置したカラス避けは電線に挟み込むタイプで、1個の幅が50センチ。とげ状の突起物がびっしりと付いていて、カラスが羽を休めにくくなっている。止まれなければ、ふんを落とされる心配もなくなる。
町や地域住民によると、カラスは10年前から姿を見せるようになった。ここ2、3年は特にひどく、年々増えているという。夕方になると一部の電線はカラスでびっしりと埋まることが多く、電線に止まったカラスの“落とし物”で国道236号沿いの歩道は白く汚れ、景観が悪化。住民は頭を抱えていた。国道が小学生の通学路にもなっていることから、「子供がふんに触った手を口に入れ、病気にならないか」との懸念も広がっていた。
事態を重く見た清信区長は昨年9月、町に要望書を提出。「一行政区単独で処理できるものではない。早期に対応してほしい」と訴え、町も北電と対策を協議していた。
北電の対応に伏見悦夫町長は「被害の緩和につながる」と胸をなで下ろし、清信区長は「地域の声に耳を傾けていただき、とてもありがたい」と感謝している。同営業所は「今後も(よりよい環境を維持するため地域や行政と)継続的に協議を進めていく」としている。(関根弘貴)