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帯広の斉藤さん、障害者パワーリフト世界選手権へ パラ五輪も射程内

日本代表のジャージーに身を包み、全日本選手権最優秀選手賞の盾を手に「パラリンピックまであと一歩」と意気込む斉藤さん

 車いすの障害者アスリート斉藤伸弘さん(46)=帯広、(株)ワトム所属=が第14回全日本障害者パワーリフティング選手権大会(8日、東京・日体大)の男子88キロ級ベンチプレスで152キロを挙げ、来年4月の世界選手権(ドバイ)出場を決めた。大会では最優秀選手賞も受賞し、一躍、日本のトップアスリートに仲間入りした。斉藤さんは2016年9月のブラジル・リオデジャネイロ夏季パラリンピック出場を目指しているが、同大会参加標準記録まであと5キロに迫った。練習では170キロも挙げており、夢のパラリンピックも射程内に捉えた。「2年以内に参加標準を突破、国際大会の出場経験を積んで夢を実現する」と決意している。

 斉藤さんは二分脊椎症で歩行が困難だが、岩見沢高等養護学校時代から陸上競技に打ち込み、帯広に戻ってからも車いすアーチェリーやハンドバイク(手動自転車)などスポーツで活躍。ベンチプレスはパワーリフティング選手らが自主運営するP・B・Aジム(芽室町)が開設された10年から開始。「迷いのない力勝負がいい」と魅力を知り、練習を始めた。

 翌11年に公式戦の西日本障害者選手権大会(名古屋市)に初出場で優勝。今年5月の同大会では150キロに成功し、来年10月のアジアパラ競技大会(韓国)出場を決めた。今回は「1本目で世界選手権参加標準記録(152キロ)を」と狙った通りに成功。2本目と3本目はパラリンピック参加標準の157キロにいずれも失敗して順位は2位だったが、「ブラジル大会まで、まだ公式戦の機会は7回程度ある」と出場権獲得を着実に狙っていく。

 国際大会は11月に初めてマレーシアオープン大会に日本選手団の一員として参加したが、「体調を崩して体重が減り、記録も142キロにとどまった」と苦戦した。来年の世界選手権も日本選手団(選手6人)の一員で出場するが「気温の高い国でも体調管理ができるように経験を積みたい」とする。

 日頃のトレーニングは週5回、明治北海道十勝オーバルと芽室町総合体育館のトレーニング室で1回約3時間ずつ行う。100キロから1セット(10~20本)を20回、そして150キロ以上の高重量の試技の順番だ。「近道をしないでひたすら基本を」と練習の積み重ねの先に、パラリンピック出場の道を描いている。(横田光俊)

関連写真

  • 全日本選手権大会でベンチプレスの試技に臨む斉藤さん(8日、東京・日体大で)

    全日本選手権大会でベンチプレスの試技に臨む斉藤さん(8日、東京・日体大で)

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