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更農生が育てた黒毛和牛 平均価格上回る落札額に

価格が表示された電光掲示板の下で、高値での落札を喜ぶ更別農業高校の生徒ら(右奥)

 【音更】更別農業高校(室伏諭校長)の生徒が飼育した黒毛和牛が2日、ホクレン十勝地区家畜市場(音更)に初出品された。2頭の雄はいずれも落札され、うち1頭は、この日に取引された雄の黒毛和牛の平均価格を約4万5000円上回る80万2000円(税別)で、清水町の肥育牧場ダイマルファーム(長内清代表)が買い受けるなど、生徒の努力が高く評価された。(山田夏航)

 2年後に十勝を舞台とする全国和牛能力共進会(和牛全共)を控え、同校も畜産分野の学びに力を入れようと、昨年度から授業で肉牛生産に取り組んでいる。

 出品牛はいずれも乳牛へ受精卵を移植し、昨年12月と今年2月に誕生した。学科の垣根を越えて肉牛生産の活動に特化する畜産分会の2年生、大塚桜里奈さん、渡部豊実さん、手塚ゆきなさん(以上生活科学科)、原和樹さん(農業科)が中心となり、管内畜産農家の支援も受けながら、2頭を育てた。

 「少しでも高値で売ることができたら」と、期待しながら臨んだこの日は、4人のほか、受精卵移植に関わった福澤農場(上士幌)の福澤嘉諭代表ら支援者も多く見守った。

 2頭の順番になると場内に「更別農業高校さんからの初出荷牛になります」との特別アナウンスが流れた。4人が「よろしくお願いします」と深々礼をし、会場から拍手が起こると、いよいよ競りが始まった。値がつり上がっていく中、昨年12月誕生牛を長野県の肥育牧場が75万円で、今年2月誕生牛をダイマルファームが80万2000円で落札した。

 牧場で同校卒業生が働いている縁もあるという長内代表は「まじめに育てているのが(牛の体に)表れていた」と評価。大塚さんは「想像していたより高く買ってもらえてうれしいです。感謝しています」と喜び、「良い牛に肥育してもらって、皆さんにおいしく食べてもらえたらいい」と話していた。

 十勝和牛育種組合の副組合長も務める福澤代表は「市場に集まった購買者が生徒の頑張りを応援する雰囲気もあって良かった。こうした活動を通じて若い人たちが業界により興味を持ち、働き手につながれば」と期待した。

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  • 2頭目の牛も75万円で売ることに成功した

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