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高値でもウナギ人気 土用の丑の日

香ばしい香りを漂わせながら、次々と焼き上げられていくウナギのかば焼き(20日午前11時ごろ、ダイイチ東店で。新井拓海撮影)

スーパーで1、2割上昇
 「土用の丑(うし)の日」の20日、帯広市内の飲食店やスーパーでは、ウナギを焼く香ばしい匂いが立ち込めた。高止まりが続くウナギ価格は今年も上昇傾向で、前年より1~2割ほど高く推移。それでも、ようやく暑さが本格化した夏を乗り越えようと、買い求める人が相次いだ。小売関係者は、来年も値上げは避けられないと見込んでいる。(池谷智仁)

 今年は養殖用のニホンウナギ稚魚が記録的な不漁で、価格は上昇。飲食店に活ウナギを卸す北鰻(帯広、坂本芳春社長)によると、卸価格は2割程度上がっている。このため、土用の丑前後の出荷量は2割ほど下がると見込む。消費者のウナギ離れを懸念し、利益幅を抑えて提供する坂本社長は「少しでも多くの人に食べてほしい」と話す。

 関係者によると、卸価格上昇を受け値上げした飲食店もあるが、「ウナギは利益を期待せず、風物詩として来店者に満足してもらうため提供している」とし、据え置く店は多いという。

 スーパーのダイイチは、国産ウナギ長焼きが2850円(予約価格)など1割ほど値上げしたが、内容量を増やしてグラム当たりの単価は維持した。予約数は微増し、中国産より高価な国産が9割を占めており、同社は「土用の丑にはきちんとした国産ウナギを食べたいとの意識は根強い」とする。同社は18日から3日間、各店舗前でウナギを炭火で焼き上げて提供。20日も午前中から多くの人が買い求めた。

 小売店はウナギ価格上昇前に買い付けたため、今年の値上げ幅を抑制できた側面がある。稚魚の不漁は続いていることから、複数の関係者は「来年は大幅な値上げは避けられないのでは」とため息をつく。

 ここ数年、価格は高止まりしているが、2017年は稚魚数量が比較的安定し、卸価格は前年比1割程度安くなっていた。

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