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北海地鶏Ⅱ種鶏の自然交配法による安定的な素雛生産

道総研畜産試験場 家畜研究部 中小家畜グループ 技術支援グループ

1.試験のねらい
 北海地鶏Ⅱの民間種鶏場における効率的な素雛生産を可能とするため、雄種鶏(名古屋;以後N ♂)と雌種鶏(大型シャモ雄×ロードアイランドレッド雌;以後GP9♀)の平飼いおよび自然交配条件下での適正な配雄時期、配雄比率および配雄方法を明らかにし、安定的に素雛を生産する飼養管理技術を示す。

2.試験の方法
1 )育成期のGP9♀群へのN ♂の同居時期を12、14、16週齢とし、体重、生存率、有精卵率等から、自然交配による適正な配雄時期を明らかにする。
2 )GP9♀群に対するN ♂の羽数割合を10%、15%、20%とし、体重、生存率、有精卵率等から、自然交配による適正な配雄比率を明らかにする。
3 )N ♂の飼育場に対する馴致(飼育場の囲い柵による同居前4時間の馴致飼育)が、配雄後の闘争行動や飼料摂取(体重)に及ぼす影響を明らかにする。
4 )民間種鶏場において、場内試験で設定した配雄時期16週齢、配雄比率15%、配雄時の馴致、および、GP9♀対する制限給与についてその効果を検証する。

3.成果の概要
1 )GP9♀群に対するN ♂の配雄時期は、N ♂の生存率が高いことおよび50%産卵時の有精卵率が高いことから16週齢とするのが適切である(表1)。
2 )配雄時期を16週齢とした場合、GP9♀群に対するN ♂の配雄比率は、N ♂の損耗を考慮し15%が適当と考えられた(データ略)。
3 )配雄時期を16週齢、配雄比率を15%とした場合、囲い柵での飼育場に対するN ♂の馴致により、GP9♀に対するN ♂の社会的順位の優位性が高くなり、配雄後のN ♂の体重の減少が見られなかった(図1)。
4 )配雄時期を16週齢および配雄比率を15%とし、N ♂の馴致を行うことで、181-300日齢ヘンハウス産卵率が55%以上およびふ化率が70%以上と現地における北海地鶏Ⅱ素雛の良好な生産が確保できる(表2)。
 上記の飼養管理方法を採用し、種卵の導入を3月および4月の2回、素雛の生産期間を1~7月とした場合、現状の生産目標である年間5万羽生産計画は、配雄時のGP9♀の一群羽数を700羽とし2群管理とすることで達成できる(表3)。

4.留意点
1)本試験成果は、北海地鶏Ⅱの素雛を生産する種鶏場で活用する。
2)平飼い自然交配以外の光線管理等の一般管理は、従来の種鶏管理に準ずる。
3)雌種鶏に対する飼料給与プログラムは暫定とする。


詳しい内容については、次にお問い合わせ下さい。
道総研畜産試験場 家畜研究部 中小家畜グループ 国重 享子
電話(0156)64-0612
E-mail:kunishige-kyouko@hro.or.jp

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