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大入り観客再生願う 馬券購入問題発覚3カ月「ばんえい記念」

最高峰のレースを前に約4400人の観客がスタンドを埋め尽くした帯広競馬場(折原徹也撮影) 

 ばんえい十勝のシーズン最大のレース「第48回ばんえい記念」が行われた20日、帯広競馬場は多くの観光客らでにぎわった。昨年12月の厩舎(きゅうしゃ)関係者による馬券購入問題発覚から約3カ月。事件を受け、「農林水産大臣賞」を返上してのレース開催となった中、観客からは、ばんえいへの愛着と再生を願う声が聞かれた。

 帯広市内の公務員西山乙代さん(45)はこの日、娘の藍那さん(14)と観戦に訪れた。西山さんは「ばん馬は開拓時代から続く十勝の誇り。大変とは思うが、厩舎を可能な限りオープンにして(再生に)頑張ってほしい」と話し、藍那さんも「素晴らしい十勝の文化だと思うので続いてほしい」と願った。

 一方、札幌市から家族4人で訪れた主婦の佐藤恵さん(40)は「帯広競馬場に来たのは5年以上ぶり。馬券購入事件は聞いてはいるが、関係なく楽しめている」とし、他の観光客の中には、事件そのものを知らない人もいた。

 4000人を超える来場者に、NPO法人「とかち馬文化を支える会」(三宅陽一理事長)の旋丸巴専務理事は「いまだなお、多くのファンがいることに感謝している」といい、「レースはレースで楽しむ。購入問題については『きっちりつけるところはつけてほしい』というのが、ほとんどのファンの思いなのでは」と代弁した。

 ばんえい記念終了後の記者会見。優勝した松田道明騎手は事件に関する質問に対し、「騎手は世代を超えて今、まとまろうとしている」と説明。「過酷な勝負の世界だが、そこを皆に理解してもらうことを通じ、関係者が曲がった方向へ進まないよう全員で未然阻止していきたい」と話した。

 金山明彦調教師は「お客さんに見放されていないと知り、ありがたい」と感謝した。
(大木祐介)

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