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動物侵入対策徹底を 帯畜大今井邦俊教授に聞く

鶏舎の野生動物侵入対策が重要と語る今井教授

人へ感染「国内 あり得ない」
 毒性の強い高病原性鳥インフルエンザ対策について、獣医ウイルス学が専門の今井邦俊帯広畜産大学教授(63)は、感染経路は渡り鳥などの野生動物と考えられ、「鶏舎に侵入させない隔離飼育対策が重要」と指摘する。また、国内では鳥から人に感染することは考えられないとし、冷静な行動を呼び掛けている。

 鳥インフルエンザウイルスの自然宿主は野生のカモやハクチョウなどが多い。感染を通して遺伝子が混ざり合い、毒性の強い高病原性に変異し、野鳥を介して全国に広まると考えられている。

 ウイルスは、ふんや飛沫(ひまつ)などで感染する。一般的にはウイルスに感染、または感染したふんなどが体に付いた野鳥や野生動物が鶏舎に侵入し、家きんに広まると考えられている。今井教授は「防鳥ネットなどで対策を取ることが必要」と話す。

 養鶏場の周りに凍らない川や池がある場合は水鳥が集まりやすく特に注意が必要で、養鶏場に出入りする人や車両などの消毒徹底も呼び掛けた。

 野鳥の体内で増えるウイルスは寒さに強く、糞便(ふんべん)で排出されても1カ月以上は生きているという。

 清水の養鶏場は検査中だが、今季国内で感染が確認された高病原性ウイルスの種類はすべてH5N6亜型。この型は現在、韓国でも猛威を振るっている。最初の感染報告は2014年の中国で、中国を経由した渡り鳥が感染経路の可能性が高いという。

 国内では渡り鳥が飛来する11~3月の発生が多く、5月ごろまでは注意が必要となる。

 人への感染は、「日本ではあり得ない」と強調。鳥を庭で放し飼いする東アジアなどではまれに感染者が出るが、「乾燥した糞便を大量に吸い込まない限り感染しない」とする。また、鳥の肉や卵を食べて感染した報告はなく、消費者は過度な心配は必要ないとした。住民が野鳥の死骸を見つけた場合は、「触らずに、行政機関に連絡してほしい」と呼び掛けた。(池谷智仁)

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