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乳牛におけるDDGSの飼料特性と産乳性

道総研根釧農業試験場 研究部 乳牛グループ

1.試験のねらい
 DDGSは、燃料アルコール製造時の副産物であり、デンプン以外の成分が濃縮されることから蛋白質源、エネルギー源としての利用が期待されている。

 近年、DDGSは乳牛用飼料として利用されているが牧草サイレージ主体飼養条件下におけるDDGS給与に関する情報は少なく、その飼料特性と産乳性を明らかにする。

2.試験の方法
1)DDGS、低脂肪DDGSの給与が泌乳牛に及ぼす影響

1)-(1)牧草サイレージ主体TMRへのDDGS混合割合の違いが乳生産に及ぼす影響について検討を行う。

1)-(2 )牧草サイレージ主体TMRへの低脂肪DDGS混合割合の違いが泌乳牛に及ぼす影響について検討を行う。

2)牧草サイレージ主体TMRにおけるDDGSの利用が一乳期乳生産に及ぼす影響について検討を行う。

3.成果の概要
1)-(1 )給与飼料中のDDGS割合を高めるとNDF含量は多く、NFC含量は少なくなったが、DM摂取量に有意差はなかった。DDGSを乾物中30%混合とするとTDN含量は高まり、乳量は増加したが(P<0.05)、乳蛋白質量に差はなかったため、乳蛋白質率が低下(P<0.05)した(以上表1)。DDGSの混合により可消化EE含量は多くなり乳量増加したが、可消化NDFおよび可消化NFC含量の合計値は微減し、微生物蛋白質合成量は変化せず、乳蛋白質率は低下したと考えられた。乳蛋白質率の低下を考慮すると、DDGSを利用する際の上限は乾物中20~30%の間にあると判断された。

1)-(2 )低脂肪DDGSを用いて給与飼料中割合を高めても、NDF含量、NFC含量、DM摂取量は試験1-(1)と同様な結果が得られた。しかし、TMR中TDN含量に有意差はなかった。低脂肪DDGS混合により乳量は増加したが有意差はなかった。低脂肪DDGSにおいても混合割合を30%まで高めると乳蛋白質率は低下(P<0.01)したが、乳蛋白質量に差はなかった(以上表2)。低脂肪DDGSの混合による可消化NDFおよび可消化NFCの合計値の低下は試験1-(1)よりも大きく、試験1-(1)と同様の理由が考えられ、利用する際の上限は、乾物中20~30%の間にあると判断された。

2 )DDGS混合割合を乾物中25%とし、圧ペンとうもろこしと大豆粕と代替した区(DDGS区)を代替しない区(対照区)で一乳期の産乳性を比較した。DDGS区の日平均乾物摂取量および305日間乳量は、いずれも対照区と同等(各々DDGS区:21.4kg/日、10,515kg、対照区:21.7kg/日、9,912kg)であり、乳成分も概ね良好に保たれた(以上表3)。DDGS混合割合を飼料乾物中25%程度にしたことで乳蛋白質率の低下がほとんどみられなかったため、牧草サイレージ主体条件下ではこの割合がDDGSを最大利用する際の目安と考えられた。

4.留意点
1)DDGSを泌乳牛用飼料として利用する場合の参考とする。

2)DDGSを利用する際には、飼料全体の粗脂肪含量は6%DM程度を上限とする。





詳しい内容については、次にお問い合わせ下さい。
道総研根釧農業試験場 研究部 乳牛グループ 昆野 大次
電話(0153)72-2004(代表)  FAX(0153)73-5329
E-mail:konno-daiji@hro.or.jp

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