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17日から第2次気球実験 JAXA 大樹で大型5基放球

【大樹】独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の今年度第2次気球実験が、17日から9月18日まで大樹航空宇宙実験場(町多目的航空公園内)で行われる。期間中、大型気球5基を放球して各種実験を展開。この中には、地球温暖化による成層圏の大気の変化を調べる地球規模のテーマも含まれ、成果が期待されている。

今回は予定より1基多い5基で5つの実験を行う。いずれも三陸大気球観測所(岩手県大船渡市)から継続しての実験。宇宙空間で太陽光から推進力を得る「ソーラー電力セイル」を高高度で展開するほか、100日以上の長時間飛行を可能とする次世代気球「圧力気球」の飛行性能試験などを予定している。
地球温暖化に通じる実験では、「クライオサンプラー」と呼ばれる特殊な採集装置を用い、地上10キロから35キロまでの大気を高度別に固体にして採取。各大学や各研究所が最先端の分析装置で大気成分濃度などを測定する。JAXA宇宙科学研究本部大気球実験班の吉田哲也実験主任によると、同実験は20年ほど続けており、有効なデータが蓄積されているという。
同時に、今年1月に打ち上げられた温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」のプロジェクトで活用できる観測データも取得する。
第2次実験について吉田主任は「放球の数は多いが、着実に成果を上げたい」と話している。各実験は天候や気流などの条件に応じて、期間中に随時行われる。
JAXAは、三陸大気球観測所で実施していた大気球実験を2008年度から大樹に移行。今年度の第1次実験(5月下旬〜6月中旬)では3基の大気球を打ち上げ、無重力に近い環境を一定時間、つくり出すことなどに成功した。(佐藤圭史)

/小型無人飛行船/機能試験が終了/台車の風への耐力など確認/
【大樹】独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が7月末から大樹航空宇宙実験場(町多目的航空公園内)で行っていた小型無人飛行船の機能試験が12日、終了した。昨年度末に開発した地上運用台車が、全長8メートルの飛行船を設置した状態で、地上3〜3・5メートルの風に耐えられることなどを確認した。今後、さらに大きな飛行船で台車の機能を試す。
地震や風水害による広域災害の際、無人飛行船などを使って被災情報を取得し、防災に役立てる「災害監視無人機システム」開発の一環。大樹での実験は3年目で、JAXA無人機・未来型航空機チームの6人が担当した。
今回は新たな台車を使用し、これまで手動だった、飛行船を膨らませたり飛ばしたりする作業を半自動で行えることを実証。その上で、地上3〜3・5メートルの風が吹く条件で、同様の作業が可能かどうかを試して成功した。さらに無線操縦で、離着陸や飛行の試験も行った。
実施責任者の中舘正顯さんは「全長がさらに50センチから1メートルほど長い飛行船でも、台車の運用を試していきたい」と話している。(佐藤圭史)

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