無人飛行船空を舞う JAXA大樹での技術試験本格化 災害監視機開発に向け
【大樹】独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の無人飛行船の機能試験が、町多目的航空公園で行われている。災害監視を目的とした小型無人飛行船の研究開発のための技術試験で、8日から本格化。地上から飛行船に無線で旋回や上昇の信号を送るテストが、繰り返し行われている。(北雅貴)
同飛行船は全長14メートル、重量105・6キロの無人船。2基のエンジンで進み、最大2時間まで連続飛行ができる。昨年度完成、今年2月に茨城県つくば市で飛行性能などを試験し、今回は広大な敷地の同公園でテストするために大樹入りした。1日に7人の実験グループが現地に入り、格納庫で機体をチェックした。
今回は8月末までに、遠隔操縦で飛行し機体の基本機能を確認する試験や、飛行時の特徴をデータ取得する飛行特性試験、離着陸以外の飛行をプログラムした自動制御試験など、5つの試験を予定している。
8日は午後3時すぎから約30分間、基本機能試験が行われた。地上から信号を受けた飛行船は上空30メートルまで上昇。ゆっくりと上昇、下降を繰り返したほか、何度か旋回していた。
JAXA無人機・未来型航空機チームLTAシステム技術セクションリーダーの中舘正顯実施責任者は「順調にデータが取れている。来週には自動制御試験にステップアップしたい」と話している。