気球でヘリの騒音計測 JAXA 大樹で国内初上空200メートルに係留
【大樹】独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA、本部東京)は、町多目的航空公園で地上200メートルの係留気球にマイクをつるしてヘリコプターの騒音を計測する実験を行っている。周囲が静かで広大なスペースがある同公園ならではの実験。JAXAによると、気球を使った実験は国内では初の試みだという。(松村智裕)
JAXAはヘリコプターの低騒音飛行方式を開発するため、2000年から同公園で騒音測定実験に取り組んでいる。昨年は地上約50メートルの高さに2基のクレーンを使ってマイクを設置し、その間をヘリコプターが通る方法で騒音を測定した。
今回は地上からの反響音を最小限に抑えるため、前回より高い上空約200メートルに計測機器を取り付けた気球(全長8メートル)を揚げ、騒音を測定している。
実験初日の26日は、同公園のハンドリングエリア上空にヘリウムを入れた気球を係留。ヘリコプターが気球から水平に約200メートル離れた付近を飛行し、データを集めた。
実験は10月6日まで行われる予定。同月2日以降は気球を2基配置し、2点間への騒音の伝わり具合の特性を把握する。実験を統率するJAXA総合技術研究本部飛行システム技術開発センターの石井寛一研究員は「昨年以上に良いデータが取れそうだ。騒音減退モデルの開発の参考にしたい」と話している。