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大樹に大気球観測所構想 岩手から移転検討 JAXA

【大樹】独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA、本部東京)が、科学観測用の無人大気球を飛ばす実験を行っている三陸大気球観測所(岩手県大船渡市)を大樹町多目的航空公園に移転させる構想があることが、14日までに分かった。同公園では一昨年までJAXAなどによる「成層圏プラットフォーム」計画の飛行船実験が行われ、飛行船格納庫や管制棟を備えている。JAXAは2008年ごろの移転を検討しており、「宇宙のまち」大樹の空に飛行船に続いて大気球が舞い上がる可能性が高まっている。(松村智裕)

JAXAが研究している大気球は、人工衛星やロケットに並ぶ宇宙観測用の飛翔体に位置付けられ、費用が安くロケットに比べて長時間観測できる。同観測所では、高度30−50キロ付近の成層圏まで気球を打ち上げる実験を続けている。気球は500キロから1トンほどの観測機器を搭載。成層圏に達するまでに膨張し、直径150−200メートルと東京ドームほどの大きさになるという。
同観測所は1971年に開所、35年の歴史を持つ。飛揚場、指令管制棟、気球組み立て棟、観測棟などで構成され、気球を放球する飛揚場の広さは長さ約150メートル、幅約30メートル。これまでに約380基の気球を上げている。JAXAは観測器や気球の大型化に伴い、安全性確保の面から、さらに広い実験場を探していた。
同公園で04年に行われた飛行船実験では、全長68メートルの無人飛行船を高度4キロに滞空させ、地球観測や通信、機体制御などの実験に成功した。JAXAにとっては、同公園にある全長85メートル、高さ35メートルの飛行船格納庫と管制棟を再利用することで、設備投資費を削減できる点も魅力といえる。
同観測所長兼大気球観測センター長の山上隆正氏は「大樹町は実験場が海に面し、広大な敷地がある。飛行船実験に成功した経緯もあり、安全性を考えれば非常に有効な実験場」と話す。山上氏らJAXAの関係者は17日に大樹町を訪れ、伏見悦夫町長など地元関係者に大気球実験の概要や実験場の移転構想を説明する予定。
大樹町が85年に掲げた航空宇宙産業基地構想から21年が経過。伏見町長は「これまで二十数年間取り組んできた成果が、宇宙実験施設の誘致につながりそうだ。まちづくりに大きなインパクトがあり、さまざまな波及効果が期待できる」と話している。

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