大樹でエンジン試験 防衛庁 来年度から4年間 哨戒機の性能を確認
【大樹】防衛庁技術研究本部は来年度から4年間、大樹町で次期固定翼哨戒機のジェットエンジン試験を行う。13日開会の定例町議会で、伏見悦夫町長が行政報告した。(2面に関連記事)
哨戒機は軍用機の一種。領海域での潜水艦や不審船などを探知し、情報収集する。また、十勝沖地震の際には海上自衛隊が被災状況確認のために活用した。試験場所は町多目的航空公園(町美生)に隣接した海沿いの町有地。広大な敷地を持ち、宇宙航空関連の実験が毎年行われている同町に白羽の矢が立った。
氷結環境下でのエンジン性能を確認するものなど、北海道の厳しい寒さを利用した実験のほか、騒音実験、火器ガス吸い込み試験など多様な試験を行う。実験期間は各年約2−6カ月間で、期間中は20−30人の技術者が滞在する予定。
町航空宇宙産業基地研究委員会の試算によると、昨年度の航空宇宙関連事業の経済効果は過去最高の約5億2000万円。
伏見町長は「経済波及効果も期待している。周辺住民への騒音などに配慮し、町として試験を支援したい」としている。(松村智裕)